第二章
[8]前話
県内にある国立大学の生物学の教授がだ、彼に話した。
「こうしたことはありまう」
「そうなのですか」
「はい、スズメバチは案外です」
この蜂はというのだ。
「人の近くにです」
「いるんですか」
「棲息していまして」
教授は専門的な言葉を出して説明した。
「それで人家の軒下等にもです」
「巣を作りますか」
「そうしたこともあります、ですから」
「空き家にですか」
「巣を作ることもです」
今回の様にというのだ。
「有り得てです」
「実際にですか」
「あります」
そうだというのだ。
「今回は」
「そうでしたか」
「そしてご存知の通り」
教授はさらに話した。
「非常に危険なです」
「昆虫ですね」
「性質は非常に攻撃的で」
それでというのだ。
「群れを為しますし毒も強く」
「死ぬ恐れもある程でしたね」
「はい、しかも何度も刺せるので」
「蜂は一度刺したら死ぬというのは」
「それはミツバチ等で」
こうした種類の蜂達のことだというのだ。
「スズメバチは違います」
「何度もですね」
「刺すことが可能で」
それでというのだ。
「その分です」
「攻撃が可能ですか」
「尚且つ飛ぶ速度も速いです」
「非常に怖い昆虫ですね」
「蠍や毒蜘蛛以上にです」
「危険ですか」
「私はそう考えています」
教授は市長に言い切った。
「今回の様に民家の傍でも巣を作りますし」
「そのこともあって」
「非常に危険なので」
「今回のことだけでなく」
「これからもです」
まさにというのだ。
「お気をつけ下さい」
「市民の皆さんの安全の為にもですね」
「そうです、我が国は猛獣や危険な昆虫は少ないですが」
「スズメバチは違いますね」
「こうした昆虫もいることはご承知下さい」
「わかりました」
野村は教授の言葉に市長として頷いた、そうしてスズメバチへの注意喚起を市の行政の一環として行っていった。あまりにも危険な昆虫だとよく認識したので。
空き家の恐怖 完
2022・12・13
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