最強の存在
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?」
「思いっきりお願いします!!ガジルくん!!」
先陣を切った鉄竜のおかげで全員がすぐに戦いへと赴く。その様子を上から見下ろしている人物が一人。
「ルーシィも来てるのね、メンドくさい」
口ではそう言っている彼女だが、視界の真ん中に捉えている金髪の少女を見るその顔は笑みを抑えられずにいる。本来ならすぐにでも手を貸そうと考えていたのだが、彼女はそれをしようとはしなかった。
「店員はどこにいるのかしら」
目の前にあるパフェを口へと運びながら人影がなくなった店内を見ている女性。ただ、彼女は諦めたのか、今あるパフェを味わうことにしたようで食べる速度がゆっくりになっていた。
ウェンディside
街の外へと向かっている私たち。遠くの方では至るところで戦っている音が聞こえてきますが、運がいいのか私たちのところには一切敵が現れていません。
「他のみんなは無事なのかな〜?」
「マックスたちが心配ね」
「でもそっちまで行く余裕はないよ」
繭に掴まっているマックスさんたちが意識を取り戻せているかはわかりません。ただ、メストさんが瞬間移動で皆さんを集めていくれているはずなので、それを信じていましょう。
「シリルとナツさん、大丈夫かな」
後ろで戦っている二人のことが心配で思わずそちらに顔を向けます。その際地面にできた亀裂に足を取られてしまい転倒しそうになります。
「キャッ」
「ちょっと、大丈夫?」
「うん、ごめん」
私と同じくらいの背丈の白魔導士さんを背中に背負っているため足が重くなってきました。でも、二人が追い付いてきてくれることを信じてここは急ぐしかありません。
ドォンッ
すると、後ろから爆発音が聞こえ足を止めて振り返ります。その方向はシリルたちが戦っていると思われるところ。
「二人でも大丈夫なの?あいつ相手に」
「でも、僕たちがいたら邪魔になっちゃうよ〜」
「そうだけど・・・」
シャルルも相当心配なようで納得いかないといった顔をしています。でも、今の私たちじゃ手伝いするのともできません。
「早くいこ、シャルル、セシリー、ハッピー」
不安で仕方がありませんが、私は今は少しでも早くここから脱出することが最優先だと思い、すぐに歩き出します。
「それに、シリルとナツさんなら大丈夫だよね」
思わずそんな声が漏れました。でも、この気持ちは決して間違いではないはず。あの二人ならいつだって私たちの希望を叶えてくれたんだから。そう自分に言い聞かせながら、私は懸命に重たくなっていく足を前へ前へと運んでいきました。
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