特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第17話
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り《ライダーキック》を放とうとしていた瞬間を。
(先輩……!)
大量の出血により意識が揺らぐ中、本田正信の精神を奮い立たせたのは――血の海に沈んだ先輩が、「最期」に残した言葉だった。
――お前なら、必ず出来る。俺は……信じてるぞ。
(先輩、俺は、俺はッ……!)
ライダープロジェクトが始まる以前から警視庁で極秘裏に進められていた、強化外骨格開発計画。元白バイ隊員であり、初代テスト装着員でもあった「先輩」は、トライヘキサに喰い尽くされる最期の瞬間まで「後輩」の正信を信じ続けていた。
彼の死後、「2代目」としてテスト装着員を引き継いだ正信は、開発計画の成果を後年のライダープロジェクトに引き継ぎ、「仮面ライダーターボ」として完成させたのである。
「出来る……! 俺になら出来るッ! それを……貴様にも証明して見せるッ!」
「ぐ、おぉッ……!?」
いわばこのスーツは、亡き先輩の想いを受け継いだ正義の聖火。
その灯火を、この瞬間に燃やし尽くすように――本田正信は、吼える。
「はぁあぁあ……ぁああぁーッ!」
「ぐぉぉおあぁああーッ!?」
両腕を喰われながらも、怒号と共に放たれた必殺キック――「ストライクターボ」が、巴投げの要領でトライヘキサの腹部に炸裂する。
足裏のエンジンによる超加速を得たキックが、異形の怪人を紙切れのように吹き飛ばして行く。その身体は放送局のコンクリート壁に叩き付けられ、深く減り込んでいた。
「……こ、これが……俺への『報い』かッ……!」
奪い続けてきた数十年間への「報い」が、その一撃に込められていたのだろう。そう悟っていたトライヘキサの身体は放送局の壁から剥がれ落ち、力無く地面に墜落して行く。
どしゃり、という鈍い音が聞こえた頃には――すでに「黙示録の獣」を想起させる異形の姿はなく。そこには、ジョン・ドゥの姿だけがあった。
「生憎、だが……俺の『ストライクターボ』は、どんな体勢からでも打てるのが売りでなッ……!」
その光景を見届けたターボは、事前に用意していた軍用の止血剤で出血を抑えながら、仰向けに倒れている。度重なる負傷と大量の出血により、もはや立ち上がる力も残ってはいなかったのだ。
通常のキックとは違って脚力や体重移動ではなく、足裏のエンジンが要となる「ストライクターボ」は、体勢を問わずあらゆる状況下で発動することが出来る。その切り札が無ければ、ターボがトライヘキサに打ち勝つ術などなかったのだろう。
(先輩……俺は、上手くやれたでしょうか。ターボの役目を……果たせたのでしょうか)
トライヘキサを倒したことで、過去の雪辱を果たすことは出来た。
しかし、これは私的な復讐に過ぎないのではないか。自分は本当に、「先輩」の
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