特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第12話
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「……その黒死兵達がどれほどの被害を齎してきたか。どれほどの悲しみを振り撒いて来たか、どれほどの血を流させて来たか。俺達は……嫌というほど見て来た。彼らの無念を背負ってしまったからには……死ぬほど面倒だろうが、貴様を見逃すわけには行かない」
type-α――六三四は、黒死兵達による事件を最も多く解決して来たライダーだった。
そしてそれ故に、彼は最も多くの「悲しみ」を見て来たのである。
黒死兵に街を蹂躙され、帰る家を失った住民達。警察組織の壊滅後も、街を取り戻そうと銃を取っていた抵抗組織。組織が崩壊しようとも、職務を全うせんと命を張っていた現地の警察官達。
彼らが流して来た血と涙の記憶は、日本に帰った今もなお六三四の脳裏に深く刻み込まれている。その痛みを知るが故に、彼は殺意にも似た闘志を込めて、マルチシューターを構えていた。
そんな六三四ことtype-αの覇気と、その背景にあるものを察知したプラナリアンは、ゆっくりと胸元の鞘からコンバットナイフを引き抜いて行く。
「お前をここに誘ったのは、その怒りか。実に結構。怒りは闘志の原動力となり、その原動力が新たなる闘争を生む。戦争はそうして循環し、我々の生存圏を維持して来た」
「なら……貴様達の生存圏も、この因縁も、今日で全て終わりにする。決着を付けるぞ、始祖怪人!」
「良かろう。……言っておくが、お前達が倒して来た黒死兵達は所詮、私の戦闘力を数割程度しか引き継げていない劣化コピーに過ぎん。オリジナルの私は……少々、手強いぞ」
プラナリアンのその言葉がハッタリではないことは、type-αも肌で理解していた。
天峯達のデータを引き継ぎ、性能が底上げされている状態とは言っても、そもそもの力量差があまりにも桁違いなのだ。隷には悪いが、「焼石に水」である可能性の方が高い。
「あのライダー達もなかなかの手練れのようだが、20体以上の黒死兵が相手とあっては保って10分と言ったところか。私さえ倒せれば、全ての黒死兵も消滅するが……お仲間が死ぬ前に私を倒せるかな?」
「10分か……そんなに要らんさ。俺が貴様を倒すのも、あいつらが黒死兵達を殲滅するのもな!」
それでも、マルチシューターを握るtype-αの眼に、恐れの色はない。彼は躊躇うことなく引き金を引き、プラナリアンとの戦闘を開始して行く。
他のライダーや怪人達が決戦の火蓋を切ったのも、その瞬間であった。技と技、力と力の激突が天を衝く轟音を呼び、死闘の開幕を告げる。
最新鋭の技術で身を固めた新世代ライダーと、最古の力をその身に宿した始祖怪人。
時代が望んだ者達と、時代に拒まれた者達の果たし合いが始まって行く。
「皆、無事でいてくれよ……!」
「立ち止まるな! あ
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