特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第12話
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フを納めているそのマネキン男は、ゆっくりと腕組みを解いてtype-αと向き合っている。
「やはり……あの黒死兵達にも、全員を指揮する『司令塔』が居たようだな」
専用の多目的自動拳銃「マルチシューター」を、両手持ちで構えているtype-α。彼に対し、マネキン男――プラナリアンは平静を保ったまま静かに口を開いた。
「……私を捕捉するとは見事な捜査だ、一二五六三四。いや……ライダーシステムtype-α。その域に辿り着くまでには、さぞかし並々ならぬ努力を積んできたのであろう。称賛に値するぞ」
「いや……生憎、俺は面倒なのが嫌いでな。努力なんて言葉からは、誰よりも遠い男さ。貴様を見付けたのは……単なる『刑事の勘』、という奴だ」
「面倒なことは嫌い」と公言して憚らず、気怠げでものぐさな窓際族の不良刑事。そんな人物像で通って来たtype-αは、口振りとは裏腹な鋭さでプラナリアンを見据えている。
その佇まいは、決して悪を見逃さない質実剛健な敏腕刑事そのものであった。爪を隠すことを止めた鷹を前に、漆黒の怪人は含み笑いをする。
「……そうか。ならば天賦の才を秘めていた、ということだな。我々の仲間になっていれば、今頃は柳司郎すらも超える逸材になっていたのかも知れん。面白い男だ」
「よく喋る奴だ。……俺も世界中のあらゆる都市で、黒死兵達と戦って来たが。貴様のようなお喋りな個体など、今まで一度も見たことがなかった。……貴様が『本体』、ということだな?」
世界各地に出没していた黒死兵。
type-αを含む新世代ライダー達が倒して来たそれらの個体は、いずれも言語能力を有していなかった。彼らは物言わぬ殺人鬼として、世界中から恐れられていた。
それに対して、黒死兵達と同じ容姿を持つプラナリアンは流暢に喋っている。それは、黒死兵達とプラナリアンの間にある「関係性」を悟らせるには、十分な光景であった。
そう。黒死兵と呼ばれていた漆黒の怪人達は全て、プラナリアンの分裂能力によって大量生産されていた「分身」だったのである。
彼は自分の分身である黒死兵達を、世界各地のノバシェード支部に配備し、天峯達が倒れた後も活動していた構成員達を援助していたのだ。
黒死兵によって都市一つが占拠された過去の大事件も、この男が黒幕だったのである。
「ふむ……すでにそこまで察したか、流石だな。実は各国の支部に黒死兵を配備した時も、現地の幹部達から散々文句を言われたのだよ。一言も喋らないし何を考えているか分からない、気味が悪い……とな。しかし私の分裂能力では、戦闘力の数割を継承させることだけで精一杯でな。言語能力の実装までは終ぞ叶わなかったのだ」
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