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仮面ライダーAP
特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第10話
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イには厳重な交通規制が敷かれていたのだ。
 最短経路で現場を目指すライダー達の進路を切り拓き、超高速でハイウェイを駆け抜けて行く戦友達を見送る現場の警察官達。彼らは皆、その眼差しで彼らを鼓舞している。

 ――奴らに目に物見せてやれ、と言わんばかりに。

「……」

 そんな中――最後尾を走るGチェイサーに跨っていた、仮面ライダーZEGUN(ゼガン)こと芦屋隷(あしやれい)は。自身が手掛けたライダープロジェクトのスーツを纏う仲間達の背中を、神妙な眼差しで見つめている。

 彼の脳裏には――刑務所内で死刑執行を待つ日々を過ごしていた、明智天峯と交わした言葉が過っていた。
 生前(・・)の彼と頻繁に面会していた隷は、「仮面ライダー」と「怪人」としてではなく。同じ人間同士として、最期の時間を共有していたのだ。

 ――我々3人が装着していたあの外骨格は、本来ならば「APソルジャー」の発展型としてロールアウトされるはずのものだったのです。

 ――「APソルジャー」……仮面ライダーAPが誕生したきっかけでもある、旧シェードの残党が推進していたライダータイプの量産計画か。

 ――えぇ。その研究が行われていた施設はすでに壊滅していますが、まだあそこには多くのデータが残置されたままとなっています。

 ――そこにあるデータを回収すれば……君達が装着していたスーツの構造を解析し、僕達の装甲服にも応用出来る……と。だが、何故そんなことを僕に?

 ――私達は……少なくとも自分の中では、身も心も「怪人」になったつもりでいました。けれど、それでもあなた達は……最後まで、人として向き合ってくれた。

 ――それは……そうだろう。ただの人間なのだからな。僕達も、君達も。

 ――ありがとう、芦屋博士。

 天峯達の死刑が執行される前日に交わした、最期の遣り取り。その時の憑き物が落ちたような天峯の穏やかな声色は、彼らが世を去った今も隷の脳裏に深く焼き付いていた。

(明智天峯……君は、君達はやはり「人間」だったよ。僕達のような、正義のためとあらばどこまでも残酷になれる人間よりも、よほど「人間」だった)

 そして「遺言」通りに旧シェードの地下施設を調査した隷は、天峯達が使っていた外骨格の設計データを入手。
 その情報を解析した彼は、自身のZEGUNスーツを含む新世代ライダー達の装甲服へとデータを応用し、劇的なパワーアップを齎すことに成功したのである。

 生身の人間が運用出来る限界までスーツの性能を引き上げた今ならば、羽柴柳司郎と同格であるとされる始祖怪人が相手であろうと、決して引けを取ることはない。

 天峯達が「ただの人間」として隷達に託した想いが、力のみを追求する改造人間を超えた瞬間。人間は始祖怪人の主
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