ドラシール大決戦
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うか?
「とりあえず倒すしかないんだよね?」
さっきセシリーを殴ったらすんなりと相手は身体から出てきた。ダメージが大きかったのもあるのだろうけど、とにかく奴にダメージを与えられればマスターを取り戻せるはず。
「これ以上皆さんを好きにはさせない!!」
ここで食い止めなければと突進を試みようとしたところ、それを待たれていたのかマスターの巨大化した拳が放たれ、カウンターを受けてしまう。
「ぐっ・・・」
「すごい力だ。これがこの老人の魔力!!」
建物を凌駕するほど巨大化したマスターの拳が再度襲ってくる。その攻撃に吹き飛ばされそうになるが、何とか踏み留まる。
「やっぱりマスターは強い・・・でも・・・」
マスターの腕に飛び乗りそのまま顔目掛けてジャンプする。
「俺はそれを越えてみせる!!」
天狼島で戦った時はエドシリルの魔法でセシリーごと攻撃をして倒すことができた。でも、その頃よりも俺は成長しているし、何よりマスターはもっと強いはず。それを証明するために俺は全力で攻撃をすることを決めた。
「竜魔の鉄拳!!」
滅悪魔法も解放しての全力のパンチ。それを受けた巨人は地面を削り、いくつもの建物を壊しながら倒れると、次第に速度が弱まり完全に停止する。それと同時に、マスターの中に入っていた幽霊が身体から出てきた。
「僕の負けだ」
「は?」
突然の敗北宣言。ダメージが深刻なのかとも思ったけどまだ彼には余裕があるように見える。しかしそう言った彼の表情は、どこか晴れやかだった。
「全てを思い出したよ。もう君たちと敵対することはできない。君とも家族だからね」
「あの・・・身体が・・・」
少しずつ身体が薄れていっている彼を見てすぐにわかった。彼はマスターと何か関係があり、それによって今まで成仏できないほどあったはずの怨念が浄化されたということを。
「あぁ、やっと帰れる。見つけてくれてありがとう」
「レイス」
今までとは違う、本当の感謝を込めての言葉。それを言い残しこの世から去ろうとした彼に、倒れていたマスターが声をかける。
「なつかしいのぅ・・・」
「君もね、マカロフ」
そのやり取りを最後に幽霊は完全に姿を消した。そしてキズだらけになってしまったマスターは意識を失っている。
「なんだかよくわからないけど、倒せたからいっか」
俺たちのことを喰おうとしていた相手だったし、とにかく彼が成仏してくれてよかった。そう思った俺は思念体のためマスターに触れることができなくなっていたこともあり、自分の身体へと戻るのだった。
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