ドラシール大決戦
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「思念体になって僕を・・・」
これまで当たらなかった攻撃を受けたことにより幽霊さんは驚きを隠せない様子。その隙を逃すことなく俺はすぐさま拳を打ち込んだ。
「ぐっ・・・」
「攻撃が当たる!!これなら・・・あなたを倒せる!!」
身体を一回転させて回し蹴り。普段戦い慣れていないのか、彼はこの連続攻撃に明らかについてこれてない。
「驚いた・・・こんな人は初めてだ。だが・・・」
そう言うと幽霊は俺の身体を揺すっているセシリーの元へと飛ぶように移動する。
「憑依!!」
何をしようとしているのかその時はわからなかった。しかし、幽霊の身体がセシリーの中に入り込むと、彼女の身体が震え、こちらへと視線を向ける。その目は先ほどまで泣き叫んでいたものとは異なり、敵意を向けているのがわかる。
「僕は人の・・・これは猫だけど、人の身体に憑依することができる。そして自由に操ることができるのさ」
得意気な表情を見せているセシリーの中にいる幽霊。だけど、何を考えたら彼女の中に入ろうと思ったのか、俺には理解できない。
「あの・・・セシリーじゃ俺には勝てないと思うんですけど・・・」
セシリーは人の姿にはなれるけどそれでも俺相手では力不足だ。近くに人がいないからと言われればそれまでなんだけど・・・
「だが、仲間を殴ることはできないよね?」
ニヤリと笑みを浮かべるセシリー。それを聞いて彼の狙いがわかった。俺が攻撃をできないが相手は俺を攻撃できる。思念体になる前の有利な状況をもう一度作り出すために彼女の中に入ったんだ。
「うーん・・・」
言われてみるとその通り。セシリーは一応女の子だし、殴るのは正直避けたい。でもそれじゃあさっきと変わらないと考えていると、あることを思い出した。
「そいえばセシリー、俺より大きくなった時バカにしてきたよね?」
「え?」
蛇姫の鱗にいた頃、彼女が変身魔法を覚えてからというものことある度に俺の背が低いことをバカにするような発言を繰り返してきた。それを思い出した瞬間、腸が煮え繰り返る感覚が生まれる。
「あの時の恨み!!」
「!!」
その怒りを拳に込めて彼女の頬を殴る。予想だにしない攻撃を受けた幽霊は驚きながら、彼女の身体から飛び出してきた。
「こ・・・こいつ、自分の仲間を・・・」
幽霊が外に出たことにより意識を取り戻したセシリー。彼女は殴られて赤く腫れ上がった頬を抑えながら大騒ぎしていた。
「うわ〜!?なんか痛いよ〜!!急に殴られたように痛い〜!!」
「ごめんセシリー」
突然襲われた痛みに混乱状態のセシリー。そんな彼女に謝罪するけど見えていないため、ただ痛みにのたうち回っている彼女を見ていることしかできない。
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