β天国
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!?シリルを倒した人は〜!?」
「見えないし聞こえないよ、君には」
周囲の建物に潜んでいるのかと見回すが人の気配すらない。レイスの言葉も彼女には届いていないため、ただただ恐怖と不安が彼女を襲っていた。
「さぁ、頂こう。水の魂を」
シリルの魂をその手に入れたレイスはそう呟く。その声も聞こえていないセシリーは少年へと涙ながらに駆け寄った。
「シリル〜!!起きてよ〜!!どうしちゃったの〜!?」
「彼はもう・・・死んだんだ」
泣き叫ぶ猫を前に寂しげな声のままレイスは呟くと、そのまま少年の魂を喰らうためにそれを口へと運んだ。
シリルside
「んん・・・」
ゆっくりと目を開くと空が真っ先に目に入る。外で眠ってしまっていたのかと思い身体を起こすと、見たことがない光景に困惑する。
「どこ?ここ」
見たことがない建物が乱立するその場所に頭が混乱していると、自身の足場もおかしいことに気が付く。あまりにもフカフカしていたためそちらを見ると、まるで雲のような形状をした地面になっており、ジャンプすると飛び跳ねることができるほどの弾力を持っていた。
「うわ・・・気持ちいい・・・」
寝転びながらその感触に埋もれながら再び目を閉じようとしたところで、俺が何をしていたのかを思い出し飛び起きる。
「そうだ!!あいつは!?」
先ほど戦っていたはずの青年のことを思い出して周囲を見回す。そこには彼の姿はなかったが、すぐ近くに見覚えのある小さな少女が立っており、固まった。
「久しぶりね、シリル」
長い髪とお団子状のそれが結われた俺と同じくらいの背丈の少女。彼女を見た瞬間、俺は目から溢れて来るものを抑えることができなかった。
「お母さん・・・」
アルバレスとの戦いでティオスに殺された皆さんを蘇らせるために自らの肉体を捨てたお母さん。もう二度と会うことができないと思っていた人物が目の前に現れたことで涙腺が崩壊してしまった。
「相変わらず泣き虫だな、シリル」
その後ろから聞き覚えのある声がしてそちらへと顔を向ける。ただ、そこにいたのは見覚えのない人物。
「誰ですか?」
「あぁ、この姿は知らないんだよね」
そう言った彼の姿が巨大化していく。俺を踏み潰せるのではないかというほど巨大化した彼の姿を見て、ますます涙が流れてきた。
「ヴァッサボーネ・・・」
俺に魔法を教え、俺を守るためにドラゴンの肉体を得たヴァッサボーネ。そんな彼を見て俺はいてもたってもいられず、お母さんに飛び付いた。
「うわああん!!会いたかったぁ!!」
二人とも最後はほとんど話すこともできずにお別れしてしま
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