第二章
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遂にだ、二人は結婚した。するとかずさは夫とさらに一緒にいる様になり。
「もう一生ね」
「離れないんですね」
「死ぬ前一緒にいたいわ」
こう言うのだった。
「銀婚式金婚式どころか」
「ダイアモンド紺式もですか」
「一緒にいたいわ、いいわよね」
「はい、そうなる様にしましょう」
「何十年でもね」
笑顔で言ってだった。
かずさはお互いに長生き出来る様に食生活に気をつけ事故にも遭わない様に注意していった。そしてだった。
久保田はかつて職場で同僚だった彼等に自分とかずさのダイアモンド婚式の時にこんなことを言った。
「かずささんと一緒だから」
「ここまでこれた」
「そうなんだな」
「そうだよ、いい人と出会えてよかったよ」
こう言うのだった、お互い老人になっているが見れば彼が一番元気そうだ。
「僕はずっと幸せでいられたよ」
「ダイアモンド婚式までか」
「ずっとそうなんだな」
「そしてこれからもね」
「けれどな」
「そう言うけれどな」
かつての同僚達は今はすっかり老婆になったかずさを見て話した。
「若い時聞くとな」
「ヤンデレだったからなあの人」
「やばいって思ったんだよ」
「本当にな」
「だからそれだけ僕を想ってるってことだから」
久保田が言うことはあの時と同じだった。
「いいんだよ」
「そうなんだな」
「ヤンデレもまたよしか」
「自分をそれだけ想って大事にしてくれるから」
「それでか」
「そうだよ、だから僕はずっと幸せでいられるんだよ」
そんなかずさと一緒だからだとだ、久保田はこう言ってだった。
自分達の家族そしてかつての同僚達を含めた古くからの知り合い達と共に二人のダイアモンド婚式を行った、その時の彼とかずさの顔は幸せに満ちたものだった。
ヤンデレ先輩 完
2023・4・19
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