第一章
[2]次話
ハクトウワシの行動
ミネソタ州で勤務しているミッチ=マーティンソン巡査素朴な顔立ちで短い黒髪と顔の下半分に濃い髭の剃り跡がある長身で逞しい身体の彼は通報を受けた現場に行って我が目を疑った。
「ええと、これは」
「言った通りだよ」
「いや、まさかこんなことが実際に起こってるなんて」
通報をした市民に目を丸くさせて言った、見れば。
二羽のハクトウワシが地面で絡み合っている、よく見れば爪を取り合ってそのうえで喧嘩をしている。
その光景を見てだ、マーティンソンはまた言った。
「鳥って空で喧嘩しますよね」
「空を飛ぶからな」
「特に鷲なんて」
「だから俺も驚いてるんだよ」
市民もこう言った。
「本当に」
「そうですね」
「いや、それでどうしようか」
「とりあえず喧嘩はよくないですから」
それでとだ、マーティンソンはあらためて言った。
「離しますね」
「喧嘩を止めさせて」
「そうしますね」
市民に話してだった。
マーティンソンは鷲達を引き剥がそうとした、だが鷲達はその彼にも強い対抗心を向けてきたのだった。
「クァッ」
「ガァッ」
「うわっ、僕は君達を助けたいんだけれど」
マーティンソンはその彼等に困った顔で応えた。
「止めてくれるかな」
「クアァッ」
「ガアァッ」
だが彼等は敵愾心を向けたままだった、そして自然とお互いの爪が外れてだった。
鷲達はそれぞれ飛び去っていった、ことが終わってマーティンソンは鷲達が去った後で現場に来た野鳥保護施設ラプターセンターに所属している職員に話すと。
その職員はこう言った。
「怪我がなかったみたいでよかったですが」
「それでもですか」
「はい、あまりです」
どうにもというのだった。
「よくないです」
「保護して獣医に診せた方がよかったですか」
「大怪我そして死ぬことにもつながるので」
だからだというのだ。
「今度そうしたことがあったら」
「保護してですね」
「私達に預けて下さい」
「わかりました、ですが地面で鳥が喧嘩するなんて」
それもハクトウワシの様な珍しい鳥がというのだ、ハクトウワシはアメリカの国鳥であるが個体数は少ないのだ。
「そうそうないと思いますよ」
「それはそうですがね」
職員も否定しなかった、実際今回のことはマーティンソンにはかなりインパクトのあることで旧家の時旅行に行って。
旅行先のミズーリ州でワールドバードサンクチュアリーという野鳥保護施設に行った時にそこのスタッフにもこのことを話した、するとそのスタッフはこう彼に話した。
「ハクトウワシも時折不思議な行動を採りますよ」
「地面で喧嘩したり」
「他にもです」
こうマーティンソンに言うのだった。
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