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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
意地VS意地
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い上にパワーでは『甲龍』には遠く及びません。
 ではどうするかというと、拮抗できるのは純粋な技量、質量、勢い、そして意表をつくこと。
 そしてそれを実行するための2つの切り札。
 まずは今箒さんが振るっている3,5mを誇る巨大近接ブレード、大野太刀『雷斬』。

『鈴さん! な、またですの!?』

 セシリアさんが援護しようと『スターライトmkV』を構えたところにまたもエネルギーの塊が降り注ぎます。
 先ほどから降り注ぐこのエネルギーの雨。
 これが切り札の二つ目、64式連装大弓『月穿』の曲射攻撃による時間差攻撃。

 そのために箒さんを後方に投げ飛ばし、ジャミングで発射時に悟られないようにして、今まで私一人でセシリアさんと鈴さんの二人を抑えてきた。ここで決めなければ私たちの負けが一気に濃厚になってしまう。

―次弾4時方向、距離80、着弾まで5秒―

 『コジアスコ』をクローズしつつ左腕を振るいながら『ユルルングル』を解除、セシリアさんを捉えるために振るう。

『同じ手は通じないと言ったでしょう!』

「同じ手なら、ですけど?」

 左は避けられましたか。でも……右腕も同時ですよ?
 避けた位置には既に右腕の『ユルルングル』を放っていてセシリアさんの左腕を絡め取る。

 文字通り違う手ですね。

『しまっ……!』

「ええい!」

 セシリアさんが言い切る前に4時方向距離80にセシリアさんを放り投げ、そこにぴったりのタイミングでエネルギーの塊が直撃して爆発した。

『きゃああああああ!』

『セシリア!?』

『余所見とは余裕だな、鈴!』

『ちぃ!』

 『雷斬』を自分の頭上で振り回していた箒さんがそれを振り下ろした。鈴さんはそれを『双天牙月』を交差させて防ごうとしたが、そのまま地面まで押し込まれる。足が地面にめり込んでから鈴さんがようやく『雷斬』の特徴に気づいたように叫んだ。

『あんた! 何て重いもん使ってんのよ!?』

 『雷斬』は大きさもそうですが特筆するのはその重量。そもそも第二世代型でプラズマ刃を出すのにIS自身のエネルギーを使ってしまっては燃費が悪すぎます。
 その出力を維持する方法は簡単。刀自身の中にバッテリーを組み込んでしまえばいい。
 しかしその結果どうなるかというと刀の長大化重量化が目立ち、結局汎用性に劣ってしまったためにお蔵入りされた近接武装。それが『雷斬』。
 扱いが非常に難しい分、先ほどのような振り下ろし、更に遠心力を加え重力を味方につけた超重量によって現行ISで受け止めることは困難。たとえそれがパワータイプの『甲龍』だろうと結果は変わりません。
 でも驚くべきはその扱いの難しい武装を一週間足らずであそこまで使いこなせている箒さんです
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