バトルオブフェアリーテイルinドラシール
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それから長時間列車に揺られていた俺たちだったが、目的地に着いたようで逃げるように駅から出る。出た瞬間、眼前に広がる光景を見て俺たちは感嘆の声を漏らした。
「すげー!!」
「うわー!!」
「クロックスより大きいんじゃない?」
ギルティナ大陸最大の都市とは聞いていたけど、今まて見てきたどの街よりも大きい。人もたくさんいて大変な賑わいが感じられた。
「人が多いな」
「迷子にならないでよ、ウェンディ、シリル」
「善処します」
「え?私?」
シャルルの言葉に俺はレインヒルでのこともあるので言い返すことができない。ウェンディは不満げだけど、シャルルの中ではいまだに彼女は子供のような感覚なのかも・・・いや、今も子供なんだけどさ。
「見てくださいグレイ様!!あそこのパン屋可愛い!!」
「お・・・おう」
100年クエストに挑んでいる俺たちの元に合流してきたジュビアさん。彼女は《グレイ様センサー》でここまで来たと言っていたけど、その本人は何か怪しんでいるようで表情が暗い。
「さて、まずは宿だ」
「あいさー!!」
「せっかくだから大きいところにしよーよ」
「賛成〜!!」
「そんなお金どこにあるのよ」
「小さいのでいいよ」
「あの・・・ナツさん?」
「なんで私たちの方を見るんですか?」
ナツさんの失礼な視線に困惑する俺とウェンディ。彼は何か言いたげだったがそれ以上は何も言うことなく、この場から一番近い宿を探すことにした。
「100年クエストの内容は言えない?」
宿についた俺たちはジュビアさんに100年クエストの内容を聞かれたのだが、そのように返答するしかなく彼女は不思議そうな顔をしていた。
「せっかく来てもらったのにすまないな、こればかりは契約で仕方ないんだ。妖精の尻尾の名を背負っている以上、契約は破れない」
「はい・・・大丈夫です」
エルザさんの説明に残念そうな表情をしていたけど、事情が事情なためわりとすんなり納得してくれたようだ。
「でも、そうなるとあたしたちと一緒に行動できなくなっちゃうんじゃない?」
「メンバーに加えればいいじゃん」
「いや、一度した契約は絶対だ」
契約書にサインしてしまった以上、そこからの変更をすることはできない。それにこの依頼の内容を言って広まってしまったらパニックになりそうだし、エルザさんの判断が正解だろう。
「ジュビアはすぐに帰りますよ。グレイ様の顔を一目見たかっただけですから」
仲間外れにしてしまったかと思ったけど、彼女はグレイさんに会えただけで満足だったようで、隣に座る彼に寄り添い満面の笑みを見せている。
「おとなしく待ってろよ」
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