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ハイウェイにいた子猫達
第二章

[8]前話
 その話を聞いたニューヨーク在住のキャスリン=デバッカー薄茶色の丸坊主の様な極めて短い髪の毛と大きな眼鏡が印象的な痩せた女性はとある一家の家を訪問し黒と白の八割れの雄猫を撫でつつ初老の夫婦に話した。
「こうしたお話がありまして」
「ああ、それならですね」
「この子と同じですね」
「そうですね、ハイワイヤーと」
「ニャ〜〜〜」
 その猫を撫でるだけでなく見ると猫は一声鳴いて応えた。
「この子もです」
「ブルックリーンクイーンズの高速道路ですね」
「その陸橋にいましたね」
「ひあ、救助が大変でした」 
 デバッカーは夫婦に笑って話した。
「とても。ですが」
「それでもですね」
「何とか救助出来ましたね」
「施設のスタッフに大勢来てもらって警察にもです」
 所属している施設のというのだ。
「それで、です」
「助けた」
「そうだったんですね」
「そうでした、助けても暴れましたが」
 それでもというのだ。
「獣医に診せると問題なく」
「それで、ですね」
「すぐに里親を探して」
「こうしてそちらに迎えてもらいました」
 そうなったというのだ。
「よかったです」
「そうですよね、子猫が高速道路にいるとか」
「普通はないですが」
「それでも助かって」
「幸せになればいいですね」
「はい、どうしてそんなところにいたかわかりませんが」
 子猫が高速道路にというのだ。
「それを助けて幸せに出来るのが人間なので」
「それで、ですね」
「助けるべきですね」
「はい、そして幸せにしていきましょう」
「全くですね」
「その通りです」
 夫婦はデバッカーのその言葉に確かな笑顔で頷いた、そしてハイワイヤーにご飯をあげた。すると彼はそのご飯を美味しそうに食べた。そこにはかつて高速道路で恐怖に震えていた姿は何処にもなかった。


ハイウェイにいた子猫達   完


                  2023・4・16
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