FAIRYNAIL
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にするシリエルとウェンディル。取り残された俺は先ほどの彼らの会話のことを思い出し、ある決心を固めた。
「聞いてよエルザ!!ナツったらねー!!」
列車へと戻ってきた俺の耳にすぐに届くルーシィさんの声。何かに怒っているようでその原因が何なのか気になり見に行くと、ジャージ姿になっている彼女が目に入る。
「ウェンディ」
「あ!!シリル!!どこ行ってたの!?」
ウェンディも同じようなジャージを上に羽織っており、なんか肌が焼けているところがあるように見える。
「どうしたの?」
「ナツさんがね・・・」
ルーシィさんをナンパしてきた男たちを追い払おうと魔法を放ったら彼女たちも巻き込んでしまったらしい。なのでウェンディに治癒の魔法をかけながら、俺は決心したことを実行に移すために少女の顔を見る。
「何?シリル」
あの二人みたいに皆さんが見ている前でもキスしてみせる・・・そんな対抗意識のみで固めた決意だったけど、いざ少女の顔を見るとなかなか恥ずかしくて勇気が出ない。
「その・・・えぇっと・・・」
全員に心臓の音が聞こえているのではないかと言うほどバクバクしているのが自分でもわかる。後ろは揉めているようなのでたぶんこっちは見ていないとは思うけど、それでもこれは恥ずかしくて踏み出せない。そう思っていると・・・
「「うぷっ」」
列車が動き出してしまい俺たちは乗り物酔いを発動させ、座席へと倒れ込む。
「お久しぶりです!!グレイ様!!」
勇気が出ず最後の一押しができなかった後悔を抱えながら意識が薄れていく中、懐かしい声が聞こえてくる。しかしそちらに俺たちは顔を向けることができないまま、気を失うのだった。
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