第一部
フェリっくんの受難
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か『鈴ちゃん』って呼んでくれるのに!」
「それは彼らが頭可笑しいだけです!」
かなり酷いことを言っているが・・・まぁ、彼の言い分は事実である。そもそも、全身タイツに幾何学模様の覆面という、昔の戦隊モノのザコ敵役のような制服を大喜びで着ているイケメン連中とか。制服はメイド服で、それをやっぱり大喜びで着ている美人集団とか。・・・こんな連中の頭が変じゃないわけがない。多かれ少なかれ、この伊織魔殺商会の空気の影響を受けているのだ。この空間で生きるのならば、ここに順応しなければならない。染まれ!空気に染まるのだ!
「何処に、部下にちゃん付けで呼ばれるカンピオーネがいるんですか!」
「ここにいるよ?・・・そもそも、何度も言ってるけど、私はカンピオーネになったからって、何かが変わる訳じゃないんだよ?カンピオーネ(これ)になる前から、強大な力を持っていたんだから。今更カンピオーネになりましたって言われても、だから何?って感じになるに決まってるじゃん!」
「ぐっ・・・!」
そうなのだ。カンピオーネとは、神々を虐殺し、その権能を簒奪した、人類を超越せし魔王のことである。カンピオーネになれば、その人知を越えた権能を自由自在に操る事が出来るようになり、更にケタ外れの生命力や、常識外れの戦闘能力などを得る。・・・のだが
この、名護屋河鈴蘭という少女は、とある事件でカンピオーネになるそのずっと前から、カンピオーネ(それ)に比肩するか、もしくは凌駕するほどの強大な力を持っていたのだ。それこそ、神か魔王かと呼ばれる程に。
不思議な力?―――元々使えますけど?空間転移から万物を燃やし尽くす炎まで、色々使えますけど?
ケタ外れの生命力?―――心臓ブチ抜かれても生きてましたけど?数百年は寿命があるって言われましたけど?
常識外れの戦闘能力?―――彼女の仲間の神々ですら手も足も出なかった神をぶっ殺しましたけど?
これだけ人間離れした能力を持っていた彼女に、今更カンピオーネになりましたよ何て言われても、そりゃ実感出来ないだろう。だから、彼女は態度を変えないのだ。そして、それが分かっているから、部下たちも態度を帰ることはない。何だかんだで空気が読める連中である。
・・・KYなフェリっくんとは大違いだ(笑い)
「・・・何か、誰かに凄く馬鹿にされた気がしますけど・・・。」
「誤魔化そうったってそうはいきませんよ!さぁ、『鈴蘭ちゃん』!リピートアフタミー!」
「す・・・す・・・!」
最早、何をしてもこの流れは変えられないと悟ったフェリっくんは、顔を真っ赤にしながら口ごもっている。・・・何コレ?フェリっくんの恥ずかしがってる場面とか誰得なの?
「すず・・・!」
「鈴
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