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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
竜はひどく赤面した
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彼は翼で自身を隠したかと思うと、そのまま姿を消してしまう。気配が消えたことでプレッシャーから解放されたのか、青年は身体中に汗をかきながらその場に膝をついた。

「まさか・・・あれがそうなのか?」

そう言った彼の表情は緊張と恐怖がまだ残っているのか、普段の彼のものとは程遠い。そしてその隣にいる男は震えていた。

「お前でも恐怖を感じるんだな」

内心、どこか安堵したような声を漏らした青年だったが、彼の表情を見て絶句した。

「これほどの力がある奴がいるのか。いい・・・いいぞ」

まるでおもちゃをもらった子供のような無邪気な笑顔。それを見て、彼の震えが歓喜によるものだということを理解した。

「一度評議院に戻るか」
「なぜだ?」

足に力が戻ったところで青年はそんな提案をする。それに対し男は不満げな表情を浮かべていたが、理由を聞いて納得した。

「ドラシールなんて、どこにあるか知らねぇしな」
「あぁ、確かに」

本当ならすぐにでも向かうべきなのだろうが彼らはそれをするための知識がなかった。そのため彼らは一度評議院に戻らざるを得なくなり、近くの駅へと向かうのだった。













 


ウェンディside

シリルがどちらのテントで眠るのかの会議をしていた私たちですが、ルーシィさんの案により二つのテントをうまく合わせて全員で同じテントで寝るという折衷案になりました。本来なら恥ずかしいことですけど、大魔闘演武の時も同じ部屋で寝ていますし、今回はこれでよかったのかもしれません。ただ・・・

「ちょっと寒いかも・・・」

二つのテントを無理矢理合わせたことで隙間風が入り込んでいるのか布団を被っているのに少し寒い。そのせいか私はなかなか眠りにつけずにいました。

「シリル・・・」

向かい側で眠っている少年の方に目を向けますが、彼はすでに夢の中にいるようで私の声には気が付いていません。それどころか、今この場で起きているのは私だけになっている状態でした。

(明日も朝早いのに・・・)

明日は列車に乗るために早く起きなきゃいけません。ただでさえ乗り物に乗るというのは憂鬱なのに、寝不足ではよりひどいことになるのは目に見えていました。
どうしようかとしばらく布団の中で寝返りを何度もうって眠りにつこうと考えますが、それができずに困ってしまいます。

しばらくそうしていると、一つの案が脳裏をよぎりました。

(シリルと同じ布団で寝れば暖かいんじゃ・・・)

横向きになっている彼を見てそう閃いた私は彼の布団の中へと入っていきます。この時はなかなか眠りにつけずにいたため気にせずにいたのですが、よく考えるとすごい大胆なことをしたなと後に思いました。


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