第5話 一難去ってまた一難?
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「一誠様………今日の朝食はスクランブルエッグとハムに今朝送られてきました新鮮な野菜を使ったサラダとなっております」
「うおぉぉぉぉぉ!!すっげえ旨そうだ!」
「………はぁ」
メイドにより目の前に出された朝食に喜びながら箸を伸ばすイッセーを見ながら私はため息を吐く。
現在、私が直面している問題は普通ではありえない状況なのだからため息の一つくらい吐いてもいいと思う。
「どうしたんだよフラン?どっか調子悪いのか?」
そんな私の様子にイッセーが心配そうに声をかけてくる。
その心遣いはとても嬉しいのだけど………
「………私のため息の原因はイッセーだよ」
私はそう言うとまた深いため息を吐いた。
しかしイッセーは………ううん、推定身長180cmで引き締まり無駄の無い筋肉を手に入れた黒い長髪のイッセーはキョトンとした表情を浮かべている。
私は静かに目を閉じながら昨夜起きてしまった不幸な事故について振り返り思い出す。
そう………あれは三成への罰の為にイッセーへ仕えるよう指示を出した後の事だった………
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「承知………致しました………この三成、誠心誠意、真心を込めて兵藤一誠様に………お仕え、致します………」
罰としてイッセーに仕えるよう私が指示を出し、それに対して三成が頭を下げながら承認しつつも引っ掛かりを感じるような言い方をする。
どうやらこの処罰に対して三成はかなり不服なようだ。
元々彼女は自分より弱い存在に仕えたり敬うようにする事に激しくプライドを傷付けられる人物であり、我が家の完璧過ぎる瀟洒なメイド長との決闘を挑み敗れたのがきっかけで仕えるようになった。
つまり自分より弱い存在であるイッセーに仕えるように指示された彼女の心は激しい怒りの炎が猛り狂っている事だろう。
でも私にだってちゃんと考えがある。
「三成………ずいぶんと不服そうだけど?何か異論があるのかな?」
「ッ!?………いえ」
そんなわざとらしい私の問い掛けに三成は怒りを押し隠すようにして答える。
私は顎に手を当てながら空いていた食堂の椅子に腰掛けて足を組み替えると目を細めながら三成を見詰め………
「イッセーを主として見るのが………ううん、自分より実力の劣る存在を上に見るのが気に入らないのでしょう?」
はっきりとした口調で三成に告げた。
「………………」
それを聞いた三成は何も答えない………いや、図星過ぎて答えられない。
だから私はあえてこう答える。
だってイッセーはまだ明らかにされていない、私達を越えられる可能性を秘めた存在を有しているのだから………
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ