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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第92話:管理局の裏側
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付けるべきやと思ってたらしいわ。
 にもかかわらず、なし崩し的に戦闘任務に駆り出されるようになった・・・」
 
そこで一旦言葉を切ると、はやてはなのはと俺を交互に見た。
隣に立つなのはを見ると、口に手を当ててその顔は少し青ざめて見えた。
よく見ると、その肩は少し震えているようにも見える。
俺がなのはの肩に手を置くと、なのははゆっくりと俺の顔を見る。

「大丈夫か?」

「・・・うん」

なのはは小さく頷く。

「でも・・・ゴメン。手、握ってて」

「判った」

俺は短くそう言うと、なのはの手を握る。

「続き、話してもええ?」

はやての言葉に俺となのはは頷く。

「ほんなら話すわな。で、まあユーノくんとなのはちゃんについて言えば、
 管理局がその力を他に持っていかれるくらいなら、自分のところで
 飼い殺しにしてしまえっちゅう上層部の考えのもとに用意された立場なんよ」
 
「じゃあ、ユーノくんが司書長になったのや私が戦技教導官になれたのも?」

「そっちは完全に実力や。つまり、ユーノくんもなのはちゃんも
 上層部が考えてた以上に力を持ってたってことやね」
 
「そっか・・・」

なのはは少しほっとしたように表情を緩める。

「ま、管理局がキレイなトコばっかりの組織じゃないってのは
 わかってたつもりだけど・・・な」

俺がそう言うと、はやては頷く。

「ゲオルグくんは情報部の特務におったから、管理局上層部の
 汚いトコを直接見る立場やったからね」

「まあな」

その時、なのはが俺の手を握る力を少し強くする。

「・・・なのは?」

そう言ってなのはの顔を見ると、不安そうに俺の顔を見上げていた。

「ゲオルグくんが情報部で何をしてきたのか、結局私は何も知らないなって」

「知りたいのか?」

「うん。ゲオルグくんのことはなんでも知りたい。できればだけど・・・」

「なのは・・・」

なのはの表情と言葉に一瞬、すべて話してしまおうかと思う。
が、次の瞬間には話すべきでないと俺の理性の部分が判断していた。

「悪いけど、いくらなのはでも話せない。ホントに済まないけど」

俺がそう言うとなのははふるふると首を横に振った。

「いいよ。ゲオルグくんは私のために話さないって決めてくれたんでしょ。
 それに、私たちが初めて戦場で出会ったときのことを考えても
 ゲオルグくんが公に口外できないような任務についてたのは
 なんとなくわかってるつもりだから」

なのははそう言って俺に笑顔を向ける。

「ありがとな。なのは」

そう言って俺もなのはに向かって笑いかける。

「あー、こほん。ここは私の部屋なんやけど、わかってる
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