エルミナの街
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なさそうだな」
「悪い奴なら、あのウェルカムドリンクは置いてないですよね」
水中で息ができるドリンクを黙っておけば俺たち人間はなす術がなくなる。それなのに彼らはしっかりとそれを渡してくれたということは、水神竜に関わる人以外は客人として迎え入れている証拠だろう。
「でも俺たちの目的は水神竜を倒すことだ。ここの奴等に恨まれようがそれが仕事だ」
ナツさんは妖精の尻尾の看板を背負っている以上、依頼を失敗できないと考えている。そのことは俺たちも理解できるが、ウェンディは割り切れていないようで暗い顔をしていた。
「そのことなんだけど、エレフセリアの言葉をよく思い出してみて。彼はこう言った、《五頭のドラゴンを封じてみせよ》って」
ルーシィさんが何を言いたいのかわからず首をかしげる。それはナツさんも同様で、彼女に問いかけていた。
「ようは倒せってことだろ?」
「ううん。"封じる"って色んな意味に取れる。もちろん退治することにも力を消滅させることにも文字通りどこかに封印・・・閉じ込める意味にも取れる」
「つまりどういうことだ?」
分かりやすく説明しようとしてくれてるけどまだ頭が付いていけてない。そんな俺たちにルーシィさんはさらに噛み砕いて説明してくれる。
「つまりは何をもって封じるとするかの定義がないってこと。例えば水神が荒ぶる神として祀られてるとするじゃない?なんとか説得して怒りが静まれば、それって《封じた》ってことになるんじゃないかな?」
例まで出してくれて非常にわかりやすい説明、それを聞いた瞬間ウェンディが笑顔を覗かせる。
「平和的な解決方法があるんですね!?」
「可能性だけどね」
エレフセリアさんにそこの話を詳しく聞いておけばよかったなぁと思いつつも、それでも良いのであればありがたい。アクノロギアレベルのドラゴンなんて、そう簡単に倒せないだろうし。
「そう明らかにつまらなそうな顔をするな」
ルーシィさんの説明に喜んでいるウェンディに対し、ナツさんは不機嫌さを露にしていた。たぶんドラゴンとの戦いになると思って期待してたから、それでよしとされると出番がなくなるからかもしれない。
「お前が一番わかってるはずだ。全てのドラゴンが悪ではないと。倒すことじゃない、生き抜くことこそ私たちの戦いだ」
そんな彼を宥めるように頭を撫でるエルザさん。それを受け、青年の顔は恥ずかしさなのか赤くなっていた。
「わかったよ!!この先ドラゴンの正体がわかるまで手は出さねぇ。だけど少しでも仲間に傷を付けたら・・・」
地面を思い切り殴り付けるナツさん。その顔は彼が本気で戦いに乗り出す時のものになっている。
「滅竜する!!必ず!!」
彼もひとまずルーシィさんの意
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