エルミナの街
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水着になっている彼女を見て首をかしげる。しかし俺はそれ以上の異変にようやく気が付き、勢いよく飛び上がる。
「わっ!?何これ!?」
部屋の物が浮いているのだがその理由はすぐにわかった。俺たちがいる部屋が浸水しているのだ。そのせいで部屋の物が浮き上がっているのだと理解する。
「あれ!?てかなんでしゃべれるの!?」
しかしまた不思議なことに水中にいるはずなのに息ができるし何ならしゃべれる。俺が水の滅竜魔導士だからなのかとも思ったけど、今目の前にいる少女も普通に息をしておりますます意味がわからない。
「すごいよシリル!!私たち海の中にいるんだよ!!」
理解が追い付かない俺に対しすでに順応しているウェンディは泳ぎ回りながら楽しそうにしている。外を見るとこの街全体が海に沈んでおり、至るところを魚が泳ぎ回っているのだ。
「シリル!!すごいわよこれ!!」
「綺麗ねぇ」
「水族館みたい〜」
その魚たちに交じって泳いでいるのはルーシィさんとシャルルとセシリー。さらにその奥ではナツさんとハッピーも泳いでおり、本当に水族館のアトラクションみたいになっている。
「シリルも行こ!!」
「う!!うん!!」
ウェンディに手を引っ張られ俺も外へと出る。どうやらエルザさんもすでに遊んでいたらしく、サメと競争しているみたいだ。
「この街が海の中に!?」
俺以外全員が順応してて困惑から抜け出せずにいると、もう一人同じ心境の人がいました。グレイさんも何がなんだかわからないようで、その様子を呆然と見つめています。
「海の中なのに」
「息ができるんですよ!!」
困惑しているグレイさんへ泳いでいる姿を見せながら声をかけるルーシィさんとウェンディ。そのあまりのエンジョイっぷりに彼も困惑しているようだった。
「なんか泳ぐの上達してる気がする〜」
「もしかしてこれってあの薬の効果なのかしら」
昨日フロントにいた魚と会話しているグレイさん。彼らの話がわずかに耳に入ってくるけど、どうやら水中でも息ができるのはあの薬のおかげらしい。
「だから壁があんなに汚れたのか」
建物の壁に貝や藻が付いていて違和感を覚えたが、その理由は満潮になるとここが海に沈むから。でもだったらあのウェルカムドリンク、毒薬みたいな見た目にしないでほしいかった・・・本当に怖かったんだもんあれ・・・
「昔・・・こういうおとぎ話読んだことあるなぁ」
「水中のお話ですか?」
「どんな話なんですか?」
この光景を見ながらあることを思い出したルーシィさんが口を開く。
「そう。いじめられたカメを助けた青年がね、カメの恩返しで海の世界に行くの」
「それでどうなるんですか?」
カメは助けてないけ
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