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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
100 YEARS QUEST編
最初のギルド
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気になっていたことでこれ以上引き留めたくないと思ったのか、カミューニさんはそのまま何も言わなかったため俺たちは勢いよく扉を開けてギルドへの帰路を急いだ。




















第三者side

シリルたちが帰った直後、カミューニは疲れたといったように椅子へと腰掛け一息ついている。

「よく納得させたものだな、カミューニ殿」
「思ったよりすんなり聞いてくれてよかったぜ」

彼の隣に腰掛けたジュラの言葉に目元をマッサージしながら答える。するとその部屋に一人の女性が入ってくる。

「リュシー、そっちはどうだった?」

入ってきたのはカミューニと共に評議院へと加入したリュシーだった。彼女も明らかに疲労している表情で彼らが腰掛けるテーブルへと座る。

「説明するの面倒だったよ、カミュ、ジュラちん」
「まぁ、あのメンバーではな」
「癖が強ぇ連中が多いんだよ、フィオーレは」

人のこと言えないだろうと二人は思いつつも口には出さない。そんな三人の元にメルディがコーヒーを入れて盛ってくる。

「でも本当に大丈夫なの?」
「今のところ天使の目撃情報は一気に減ってるしな」
「被害地域も減ってきていることを考えても、むしろ今しかないとも言える」

彼女からカップを受け取りながら答えるとそれを少し口に含む。彼らは以前よりも少なくなってきた依頼書を眺めていると、新たに部屋に入ってくる者が現れる。

「おぉ、ナツくんたちは帰ったのかね?」
「ウォーロッド様」

木のような姿をした老人にジュラとリュシーが起立して迎え入れる。それを彼はなだめながらある青年の前に立つ。

「カミューニくん、少しいいかな?」
「どうったの?ウォーロッド」

年配者である彼に対しても変わらぬ様子で座ったままのカミューニにジュラは慌てたような態度だったが、そんなことなど気にもしない彼はそのままの体勢で彼の言葉に耳を傾ける。

「ここではなんじゃ、別の部屋に行こう」
「なんだよ、そんな言いにくいことなのか?」

踵を返し出口へと向かう彼を見てカミューニは仕方ないといったように立ち上がり、その後ろを付いていく。その時の二人の表情を見た三人は思わず顔を見合わせた。

普段優しげな老人は厳しい顔付きになり、反対に青年は何か別のことを考えているような不気味な笑いを浮かべているのだ。対極の二人はそのまま一言も離すことなく部屋から出ていく。

「どうされたんだ、ウォーロッド様は」
「さ・・・さぁ?」

妙な緊張感が生まれたことにより息を飲んでいたジュラとメルディはそんな言葉を交わしていたが、リュシーはしばし沈黙した後、元の席へと戻る。

「ウォーロッド様の気持ちはわかるわ」

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