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やはり俺がink!な彼?と転生するのは間違っているのだろうか
パラディ島編 第22話 ウォール・ローゼ攻防戦@ 〜襲撃〜
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ミケの目には信じられない光景が映った。
 目の前の奇行種がこちらに走ってきたミケの馬を掴み、握り殺したのだ。

「な…ッ!」

(馬を…狙った…!?)

「そんな…まさか…ッ!」

 咄嗟に刃を抜く。
 その判断は正しかった。
 なぜなら、巨人はミケ目掛けて握り殺された馬を玉のように投げてきたからだ。

「ぐぅッ!」

 超スピードでこちらに来るそれを屋根を転がりながら間一髪で避ける。
 結果、軒先部分から空中に放りだされた。
 そんなミケを捕食しようと他の巨人達とは一線を画す気持ち悪さの小型巨人が飛び掛ってくる。
 普通ならば食われていただろう。
 だが、体が活力で漲っていた今のミケは普段は出来ない動きをして見せた。
 自身の利き手の刃を巨人の眼球に刺し、刃を換装する際と同じように操作部分から外し、空中で回転してその身を巨人の飛び掛ってくる方向と反対方向に投げ出したのだ。
 お陰でミケは一切の傷を負わず受身を取り、無事に立ち上がった。
 そんな自身の動きに呆然としたのも束の間、醜悪な顔の巨人は眼球を刃で潰されたにも拘らずこちらに向かって走り出してくる。
 それを見てミケは立体機動で逃走を図ろうとするも、巨人との距離的に間に合わないと判断した。
 万事休す…といったところで、威厳ある低い声がミケの耳に入る。

「待て」

 その声を皮切りにこちらに向かってきていた巨人の足が止まった。
 そして、何時の間にかミケの近くに来ていたその声の主はしゃがみ、ミケを見る。
 だが、巨人が人の言葉を話す、巨人が巨人に命令しそれを聞く、そんな目の前の在り得ないはずの光景にミケの脳は思考を停止していた。
 その隙を見逃さなかったのか、醜悪な巨人はミケを捕食しようと走り出す。
 だが、

「え…?俺今、待てって言ったろう」

 それに驚いた様子のその巨人はミケに向かって走る醜悪な巨人の顔を右手で掴み、そのまま握りつぶした。
 握りつぶされた巨人の血があたりに飛び散る。
 だが、それが気にならないほど、ミケは動揺していた。
 そんなミケを放置して、その巨人は顔を握りつぶした右手についた血が一瞬の内に蒸発するのを見て「うわぁ…」と声を出したあと、目線をミケへ戻しながら、首を横に逸らして言う。

「…その武器は…何ていうんですか?
 腰に着けた…飛び回る奴」

 そう問われるも、返事は出ない。
 否、返事が出来ない。
 目の前の在り得ないものに先ほどから脳が思考を停止している。
 そんな状態のミケに質問を答えさせようとする方が酷だろう。
 だが、巨人はそれに気付かず、何故答えないのか疑問に思った。

「…うーん、同じ言語のはずなんだが…怯えてそれどころじゃないのか…?
 つーか、剣と
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