暁 〜小説投稿サイト〜
やはり俺がink!な彼?と転生するのは間違っているのだろうか
パラディ島編 第22話 ウォール・ローゼ攻防戦@ 〜襲撃〜
[2/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
少しここに留まらなければならない。
 そこで、ハチマン。君にはウォール・ローゼ南区の隔離施設に居るミケ班に事の顛末を伝えてもらいたい」

 どこか感情を感じさせない声音と表情のエルヴィン団長。
 基本的に上司からの命令、任務は絶対なのだが、さすがのこの状況で任務を遂行するのは気が引けた。

「…ヒョウは、俺の大切な友人です。
 私情を挟んで申し訳ないですが、あの状態のヒョウを放って任務につく事は…」

 俺がそう返した時、後ろから肩をつかまれた。
 反射的に振り向くと、そこには口から血を流し、顔を青ざめさせているヒョウがこちらの肩を掴み、見ていた。

「…ハチマン…、早く行け…」

「はっ!?ちょ、ヒョウ!早く治療院に―――」

「その前に、だ…。
 さっきからずっと…胸騒ぎが…してんだ。
 俺は治療院に行く…。だから…お前は、早く…任務について、この胸騒ぎを、終わらせてくれ…。
 こんなのが…ずっと続いたら、おちおち…寝てられやしねぇ…から、な…」

 そう言いながら、ニヒルに嗤うヒョウ。
 明らかに無理をしてここにいるのが分かる。
 …だからこそ、俺のやるべき事は決まった。

「…お前がそう言うときは大抵本当にヤバイ事が起きる前兆だからな…。
 分かった、任務は俺に任せてお前はしっかり体を治せ」

 本当に、無事に体を治してくれ…。

「…あぁ、頼んだぞ…」

 ヒョウはそういい残して、他の兵士に連れられて治療院へと向かった。
 それを見届け、俺は団長の方に振り向く。

「団長、勝手で申し訳ございませんが、今すぐ補給し、任務に就かせて頂きます」

「ああ。友が心配なのは私にも分かる。
 それについては何も言うつもりは無い。
 それと、この任務を終えたら、そのまま施設にいる104期兵と合流してくれ。
 以上だ」

「はっ」

 エルヴィン団長の言葉に返事として敬礼し、補給班の元で補給を済ませる。
 だが、その前にアニに声を掛けておく。

「アニ」

「!ハチマン!」

 治療院から出てきたアニに声を掛けると、彼女は嬉しくも、少々悲しそうな様子でこちらに向かってくる。

「アニ、ヒョウはどんな感じだ?」

「うん、一応衛生兵に見せて、安静にしてもらってるよ」

「…分かった、ありがとう」

「ああ。それで、その様子だと、あんたは任務だね?」

「正解だ。ちょっとウォール・ローゼ南区まで行ってくる。
 その後は同期の奴等と合流する予定だから、またしばらく会えなくなるかもな」

「そう…、なら、あんたにお願いがあるんだ」

「ん?」

「帰ってきたとき、私と出かけること。
 それと…まだ言えてない事があるから、聞いて欲しいんだ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ