気付き
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部下たちへ恩を仇で返したザッシュ。それに俺たちは驚愕したが、その中でもナツさんは相当ご立腹らしく腕組みしながら眉間にシワを寄せている。
「亡命後はその強引な手腕と情報力でステラの国務大臣にまで登り詰めた」
「とんでもない男ね」
話を聞いただけで虫酸が走るとはこのことか。恩のあるフィオーレだけでなくステラでも傍若無人ぷりを発揮していると考えると、怒りを感じずにはいられない。それはトーマさんも同じようで深いため息をついてから再び話を始める。
「そんな危険な男の元に危険な杖が渡ってしまった。悪用される前に取り戻してほしい」
「必ず」
今回の依頼の内容を聞いてエルザさんが返事をする。てかリハビリがてらにちょうどいいとか言われたけど、こんな危険な依頼を病み上がりのナツさんたちにやらせるあの人のメンタルすげぇな。
「ねぇ、ステラ王国ってどこなの?」
「確か・・・イシュガルの南東。断崖絶壁に囲まれてて、外界から完全に孤立した島で−−−」
「し・・・島!?」
「船で行くってことですか!?」
ルーシィさんの言葉にナツさんに俺、ウェンディは冷や汗が止まらない。なんで船で帰ってきてまたすぐに船に乗らなきゃならないんだ・・・
それから数日後、俺たちは乗り物に酔いながら無事にステラ王国へとたどり着いた。そこは自然豊かな島で至るところに木々があり、なんだか空気が澄んでいるような気がする。
「ステラを支えているのは、ダイヤモンドより固い鉱物《ステラニウム》。星々の光を吸収して、輝きが増すと言われている」
「へぇ」
「そんなに綺麗なんですか?」
「みたいだね〜」
「ロマンチックねぇ」
ダイヤモンドより固いと言われるとピンと来ないけど、星の光を吸収してより輝くと言われると少し興味が湧いてくる。どんなものなのか、あとで調べてみようかな。
「ステラは大陸で一番星空が綺麗らしいわよ」
「海もとても綺麗らしいです」
「美味しいお魚、いっぱいいるかなぁ」
星空が綺麗でその上特産品が星によりさらに良くなるものと言われると観光地の売り文句にも使えそう。そう思っていたところ、街の中はその予想通り人通りが多く、賑わっているように感じた。
「よし。早速作戦開始だ」
「ねぇ・・・本当にやるの?」
ステラ王国についたのは夕暮れ前。事前に船の上で作戦を練っていたらしいのだが、案の定俺たちはそれを聞けていないためエルザさんたちは確認がてら話してくれている。しかし、ルーシィさんがなんだかやりたくなさそうで表情がひきつっているのがわかる。
「この作戦はルーシィにしか任せることができないからな」
「エルザじゃダメなの」
「ルーシィが気付かれずに鍵を奪え
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