気付き
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ていると助け船を出してくれる女性の声。しかも他にも足音がするということは、ローグさんたちも目を覚ましたということか。
「よしみんな!!早く降りよう!!急いで降りよう!!」
「あ!!待てシリル!!」
その声で二人の気が緩んだのを見計らいシェリアの脇をすり抜ける。それに気付いたレオンが追いかけようとしてきたけど、俺は先にいたローグさんの後ろに回り込み事なきを得た。
「なんだ?どうしたシリル」
「いいから!!早く行きましょう!!」
ローグさんを盾にしてレオンから身を守る。そんな彼はシェリアに宥められているようで渋々ながら納得しているようだった。
「何?また何かやらかしたのか?」
その様子を見て俺の顔を覗き込んできたのは意識を失っていたはずのグラシアンさん。いつの間にか目を覚ましていた彼に驚きを隠せない。
「グラシアンさん!!いつ起きたんですか?」
「ついさっきな」
「お主の場合、乗り物酔いで起きれなかったのもあるじゃろ」
「お嬢、それは言わないでくれよ」
滅竜魔導士特有の乗り物酔いにより意識を失った状態にさらに追い打ちをかけられていたらしい彼はミネルバさんの言葉にひきつった顔を見せる。それをローグさんと笑いながら船を降りると、そこには多くの王国兵たちがいた。
「おかえり、待ってたぞ」
以前の通信の時に衛生兵を港に用意させておくと言っていたカミューニさんが直々に俺たちを迎え入れてくれる。彼は俺たちが降りてくると駆け足でこちらへと駆け寄ってきた。
「なんだ、やっぱり褒めてくれるんじゃん」
「ツンデレだからね」
いつの間にか隣に来ていたレオンとそんなことを話していると彼は俺とレオン・・・には目もくれず、グラシアンさんの首に腕を回す。
「はぁ?何?」
「おめぇに話がある。他の奴らは治療受けててくれ」
珍しい組み合わせに連れ去られるグラシアンさんも困惑しながら二人はどこかへ行ってしまう。残された俺たちは顔を見合わせ首をかしげた後、ほとんど回復しているものの他に異常がないかを確認してもらうために衛生兵の皆さんについていった。その時に俺たちはナツさんたちが意識を取り戻したことを聞き、ウェンディたちと手を取り合って大喜びしたのだった。
第三者side
「おい、あいつのこと誰にも言ってねぇだろうな」
「あいつ?」
「惚けんな、もう俺ぁわかってんだよ」
場所を移したカミューニとグラシアン。彼らは人気のない森の中でそんな話をしている。その表情はまるで真逆のものだった。
焦りを隠そうともしないカミューニと面白がって茶化しているグラシアン。それに赤髪
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