七十 生者の骸
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故に、暗闇でもペイン六道を操る本体を捜し出すことができたのだが、今度は眼が視えないのが仇となった。
あっさりと捕まって殺されてしまったらしい蛇の最期を感じ取って、大蛇丸は首を降る。
蛇を殺した相手の顔まで視えなかったが、どちらにせよ、本体を叩くという企みが阻止された今、大蛇丸が取るべき手段はひとつだけだ。
更に倒したはずのペインが復活しているのなら猶更のこと。
「退くわよ、自来也」
「なんじゃとっ」
大蛇丸の予想外の言葉に、自来也は素っ頓狂な声をあげた。
しかし如何せん、納得する。
ようやく二人にまで減らした敵が復活してくるのならば、もはや此方に勝ち目はない。
先に、蘇生させる能力を持つペインを逸早く潰しておかねばならなかったのだ。能力を完全に把握できていなかった自分達の落ち度である。
「潮時ね」
大蛇丸は引き際を弁えている。
だからこそ、今日まで生き延びてきた。
『木ノ葉崩し』でも三代目火影に追い詰められた際、介入したナルトによって、すぐさま撤退した。
もっとも、その際に作ってしまったナルトへの借りはいずれ返さなければならないが。
「我ら神の眼から逃れられると思っておるのか」
復活したペインのひとりが、一歩前へ踏み出す。
それを鼻で嗤って、大蛇丸は印を結んだ。
「その神さまとやらも蛇には出し抜かれることになるのよ──【口寄せの術】!」
途端、地中から飛び出した蛇が、ばくん、と大蛇丸を呑み込む。
同様に、自来也もまた、巨大な蛇に呑み込まれた。遠く離れた場所で、蛇に丸呑みにされたアマルの悲鳴が響き渡る。
三人を呑み込んだ蛇はすぐさま地面に穴を掘って消え去った。
すぐに後を追い駆けようとしたペイン六道だが、本体である長門の負担が大きい事実に、動きがぎこちなくなる。
その隙に、見事に逃げ去った蛇の痕跡を、ペイン六道は苦々しく見遣った。
大蛇丸はかつて『暁』の一員であった頃から、蛇のように狡猾で慎重に、真綿を締めるかのようにじわじわと周囲に狂気を植え付けていた。
しかしながら今になって大蛇丸の本領を垣間見た気がして、嘆息を落とす。
見事な引き際に感嘆の溜息しかでてこない。
だが流石の大蛇丸も自来也も、五体満足で全員を逃がすことはできなかったらしい。
ひとりだけ撤退を阻止できた存在を見つけて、ペイン六道はお互いに頷き合った。
利用価値のある存在だ。
殺さずに生かして利用するほうが得策だろう、と本体である長門のもとへ引き連れる。
大蛇丸・自来也、そしてアマルに逃げられたのは痛いが、せめてもの救いだ。
なんせ希少な眼なのだから。────…イタチとよく似た。
ペイン六道は無感情
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