七十 生者の骸
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れる。
「────責任は俺がとる」
それは、つまり。
『暁』のサソリ・デイダラ・角都・飛段が何かしら問題を起こせば、ナルト自らが殺すと宣言するも同然。
そこまで言われてしまえば、白と君麻呂に返す言葉はない。
彼の意向に絶対従う彼らは、『暁』の処遇に関しての一切をナルトに委ねる事を承知した。
そうして、ずっと気になっていた件を遠慮がちに問いかける。
「先ほど連絡をなさっていた相手…何か支障でも?」
【念華微笑の術】で誰かと脳裏で会話していたナルトがまた、複雑な事情や難題に悩まされていないか。
懸念する白と君麻呂に、一瞬、きょとん、と眼を瞬かせたナルトは、ややあって、にっこり微笑んだ。
「いいや。何も問題はないよ」
ナルトの笑みを前にして、白と君麻呂はようやっと安堵の息を吐いた。
困り事があるのなら一刻も早くその悩みを払拭したいと思っていた二人は杞憂だったか、と安心する。
そんな彼らを見渡して、ナルトは小声でそっと呟いた。
「命の恩人を殺すほど見境のない相手ではないだろうし、ね」
そうして、おもむろに窓の外を見やる。
ジャングルの奥地である此処は緑一色で、空気が歪むほどの熱風で満ちている。
茹だるような熱気の向こう側。
その先に確かにある、雨が降り続ける里を思い描きながら、ナルトは静かに双眸を閉ざす。
その声音にはどこか、皮肉げな響きが滲んでいた。
「───仮にも神を名乗るのだから」
「ああ…すみません。汚れてしまいましたね」
スパンッ、と小気味いい音が首元で響いた。
一呼吸置いて、凄まじい鮮血が迸り、長門の顔半分を赤く染める。
いつの間にか、音もなく首筋を噛もうとしていた蛇。
その首をメスで綺麗に切り落としたカブトが、常と変わらぬ穏やかな笑顔で謝った。
てんてん、と跳ねた蛇の首が足元に転がる。
虚空の覗く口から垣間見えた毒滴る牙。
それを見てようやく、命の危機だったのだと思い当たった長門は、そっと息を吐いた。
「いや…助かった」
間一髪で首筋を噛もうとしていた蛇の首を落としてくれた命の恩人に礼を述べる。
術やチャクラを酷使し過ぎて衰弱し、ゲッソリとした青白い顔を更に白くさせて、長門は眉を顰めた。
「まさか此処を嗅ぎつかれるとは…」
「大蛇丸さま…いえ、大蛇丸の元部下だった僕から見れば、当然の展開でしょうがね」
【万蛇羅の陣】で大蛇丸が口寄せした数多の蛇。
彼が打っていた布石は、ペインのひとりを倒す為だけでもなく、自来也をアマルの
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