足りない者の決意
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う。専用機を持ってる私と持たない箒さんではそれ程の言葉の違いがあるのですから。
「それでも……カルラ……お前が納得いかないというのなら……」
今まで突きつけられていた近接ブレードを箒さんは降ろしてくれました。その顔はいつの間にか涙は無く、いつも通りの力が入っています。
「こういう時に言うのは礼だ」
そう言った箒さんは少し微笑みました。
何て強いんでしょうね、この人は……
同年代とは思えませんよ本当に。
「分かりました、箒さん。ありがとうございます」
「ああ」
「それから……箒さんは足手まといではありません。それを証明しましょう」
「当然だ。第2世代でも第3世代に劣らないところを奴らに見せつけてやる! 改めてよろしく頼むぞカルラ!」
「はい!」
見せましょう。私たちの底力を!
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6月最終週の月曜日。
今日からIS学園は一週間に渡り学年別トーナメントが始まる。そしてその慌ただしさは予想よりも遥かにすごく、今こうして第一回戦が始まる直前まで、全生徒が雑務や会場の整理、来賓の誘導を行っていました。
当然例外なくですので私たち専用機持ちや上級生もであり、それがようやく解放された私たちは急いで各アリーナの更衣室へと走り準備します。
「きゃあ! ちょっとそっち詰めてよ!」
「無茶言わないで!」
「なんでこんななのよもー!」
ちなみに各アリーナには更衣室がAピットとBピットの二つ。しかし今年は男性がいます。男性と女性の着替えを一緒にするわけにはいかないということでAピットの方は一夏さんとデュノアさん専用となり、他の人たちは全てBピット側に押し込まれてしまっているので着替えも大変です。
しかも更衣室中央にはモニターが配置されていて、皆さんが見るために空けておかねばならないのでロッカールームは絶賛大混雑中。
更衣室のモニターは試合の無いときは来賓席を映しています。来賓客には各国の政府の関係者や企業のエージェントなどの各国要人がズラリと並び、その人数はクラス代表対抗戦とは比べることの出来ないほどの人数がいます。
「一学園のイベントに随分と大仰なものだな」
隣の箒さんが呟きました。
「3年にはスカウト、2年には1年間の成果の確認だそうですよ。私たち1年生は関係ないですが、有望な人へのチェックという意味合いが強いそうです。噂ですけどね」
「そうか……」
そして会場の警備も万全。ISの扱えるほとんどの教員は会場の警備に出ており、クラス対抗戦のような侵入者が無いように備えられています。
映し出される空には時々警備を行っている教員方が雲を引いて飛行していく
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