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急に大きな雹が
第一章

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                急に大きな雹が
 青空だった、だが。
 不意に何か降ってきた、それで難波十三一九〇近い背で痩せた外見に黒く短い髪の毛に丸い目と痩せた身体を持っている彼は言った。
「雨か?」
「おい、晴れてるぞ」 
 友人の園川正臣はこう返した、長方形の顔できりっとした知性を感じさせる顔立ちで背は一七五位で引き締まった体格である。丁度高校のグラウンドで体育の授業を受けている。
「それでもか」
「今何か降ってきたわ」
「そうか?いや」 
 ここでだ、園川もだった。
 何かぽつりとしたものを感じた、それで言った。
「降ってきたな」
「あれか。狐の嫁入り」
 難波はこうも言った。
「それかいな」
「そうか、折角の晴れなのにな」
「世の中こんなこともあるやろ」
 難波は落ち着いた声でこうも言った。
「まあ雲一つないし」
「すぐに止むか」
「そやろ、授業も続くやろ」
 二人でグラウンドを走りながらこんなことを話した、授業はサッカーをしていてその中でのことだった。
 二人共雨はすぐに止むと思っていた、だが。
 すぐに雨ではなくだった。
「!?痛いな」
「そやな」 
 難波と園川はまた話した。
「雹か」
「それが降ってきたか?」
「晴れたままなのに」
「またおかしいな」
「ほんまやな」
「おい、クラスに入れ」
 雹が降ったところで先生も言ってきた。
「危ないからな」
「雹やとですか」
「ああ、雨じゃないからな」
 先生は難波に答えた。
「だからな」
「そうですか、ほな」
「そこで保健体育の授業の話するな」
「わかりました」
 難波も他の生徒達もだった。
 先生の話を聞いてサッカーを中断してだった。
 そのうえで校舎に入ろうとした、だが。
 難波は下駄箱に自分の靴を入れたところでドス、という音を聞いて音がしたグラウンドの方を見た、すると。
 直径七センチはある氷の玉がそこにあった、難波はそれを見てそのうえで今も一緒にいる園川に言った。
「あれ何や」
「何やってあれだろ」
 園川もその玉を見つつ話した。
「雹だろ」
「あんなでかい雹があるんだ」
「子供の頃天気のこと書いた漫画を読んだんだ」
 園川は難波に真顔で話した。
「そこであれ位の雹が降ったことがあるってな」
「書かれてたんか」
「そんな記録があったんだ」
 こう難波に話した。
「それで俺もだ」
「今あれを見てか」
「それを思い出した」
「そやねんな」
「だからな」
 園川はさらに話した。
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