第二章
[8]前話
「褒めてね」
「やっていくことですか」
「褒める方がいい子もいるから」
だからだというのだ。
「その娘にはね」
「褒めることですか」
「怒る時があっても」
仕事をしていればというのだ。
「基本ね」
「褒めることですか」
「ええ、そうしたらね」
それならというのだ。
「いいんじゃないかしら」
「それじゃあ」
澄花は先輩の言葉に頷いて言った。
「そうしてみます」
「ええ、書いてね」
「それを読んでもらって教えて」
「それで褒める」
「そうしてみます」
こう言ってだった。
澄花は三波に先輩の言う通りに教えてみた、すると。
「あの、阿澄先輩ですが」
「どうかしら」
「物凄く優しくなって」
三波は澄花に教えた先輩に昼食を一緒に食べている時に話した。
「書いて教えてくれて」
「わかりやすいのね」
「そうなって」
それでというのだ。
「私も何か」
「出来る様になったのね」
「少しずつですが自信がついてきました」
「それは何よりよ、じゃあこれからも頑張ってね」
「そうしていきます」
三波は笑顔で応えた、そして自分の昼食のハンバーガーを楽しく食べていった。その彼女と昼食を共にしてだった。
その後でだ、先輩は澄花にその話をしたが。
「その相手それぞれで、ですね」
「向いてる教え方があるのよ」
「そうなんですね」
「全員に同じ教え方をしてもね」
「よくならないですね」
「そうしたことも考えてね」
そのうえでというのだ。
「教えて育てていくこともね」
「大事ですね」
「新人や後輩、部下の教育もそうで」
先輩は澄花にさらに話した。
「あんたが結婚してね」
「あっ、子供を育てる時も」
「そうよ、その子供のね」
「個性を見て」
「そのうえでよ」
「育てていくことですね」
「一人一人見極めては大変だけれど」
先輩はこのことも踏まえて話した。
「そうしたことをしていかないとね」
「ちゃんと育たないですね」
「そう、だからね」
「その子それぞれを見て」
「やっていきましょう」
「わかりました、そうしていきます」
澄花は先輩の言葉に頷いた、そうして実際にだった。
三波だけでなく他の後輩そして部下が出来ると部下にそれぞれそうしていった、やがて結婚して子供が出来たが子供にもそうしていった。
そしていい上司いい母親と言われる様になった、そのはじまりは三波とのことであることは彼女が最も知っていることだった。
部下も教え方次第 完
2023・3・25
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ