第二章
[8]前話
基本貯金していざという時に使う様になった、年間八十万円以上入る様になり障碍者手帳のサービスも受けて。
金銭面は以前よりかなり助かる様になった、だが二人はそうした状況になったから尚更という感じだった。
「本当にな」
「お金は大事にしないとね」
「これまでより多く入る様になったら」
「尚更気を付けてね」
二人でこう話してだった。
お金を大事にする様になった、すると。
貯金は貯まり娘達をそれぞれ大学にまで行かせるだけの貯えががありかつ二人が定年してからもだった。
充分以上なものがあり娘達と二人が結婚した夫や孫達にも遺産を残せるだけのものがあった。それでだった。
美由利は孝一に笑顔で言った。
「年金をずっとね」
「ずっと基本貯金をする様にしたからな」
「今こうしてね」
「娘達に残せたな」
「これまでの生活も楽だったし」
「基本使わなくてもな」
「あると思うだけで」
ただそれだけでというのだ。
「凄くね」
「気が楽でな」
「いざという時も使えたから」
「よかったな」
「そうね、お金は入る様になったら」
「そうした時こそな」
まさにとだ、今は白髪頭になり皺だらけの顔になっている孝一はやはり白髪頭で皺だらけの顔になっている妻に話した。
「本当にな」
「大事にしないとね」
「そこで調子に乗って使うとな」
「すぐになくなるわ」
「そうしたものだな、お金は」
「そうお話して私達も気を付けたから」
妻は夫に微笑んで話した。
「娘達にも残せるわ」
「わし等の生活も楽だったしな」
「気を付けてよかったわ」
「全くだな」
二人で笑顔で話した、そしてだった。
二人は娘達と彼女達の家族に遺産のことを話した、そしてその遺産を公平に渡すと言った。すると娘達は笑顔で平等に受け取ることにした、そのうえで二人のお金についての考えも聞いて自分達もそうあろうと誓い合ったのだった。
お金が入る様になったからこそ 完
2023・3・25
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