怪しい男
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ている」
「そうだ。だからこいつらが最前線に配置されるメンバーだと思っていたが、グラシアンが倒したとなると・・・」
「何か見落としがあるってこと?」
メルディの問いに二人はだんまりしている。二人とも何が正解で何が間違いなのかわからず、答えることができないのだ。
「ん?待てよ」
しかし、カミューニはあることを思い出し、頭を抱えた。
「まさか・・・そういうことか・・・?」
「カミューニ殿?どうされた」
頭を抱え何かに気が付いたカミューニ。明らかに態度がおかしくなった彼を見てジュラが顔を覗き込むと、彼はそれに気が付いたのか、無表情になり顔を上げる。
「グラシアンはうちの病院に入院させておこう。もちろん意識が戻るまで面会は禁止だ」
それだけ言うと彼は扉の方へと歩いていく。二人も慌てて彼の後を付いていこうとするが、振り返った彼はそれを手で制止する。
「二人は待っててくれ」
「お兄ちゃん?」
「カミューニ殿!!どこに行く!?」
「俺も港にいってくる。すぐに戻るから心配すんな」
そう言って扉から出ていくカミューニ。彼にバレないようにと二人もこっそり扉を出るが、すでにその姿はなかった。
「お兄ちゃん・・・どうしちゃったの?」
足早に通路を進んでいくカミューニ。その彼の後ろに、天井から降りてきた黒装束を纏った男が降り立ち、共に進んでいく。
「急にどうした?しかもこんなところで」
「メンドクセェことになったかもしれねぇ」
「何がだ?」
赤髪の青年は周囲を見回しながら人が誰もいないことを確認すると、振り向くこともせず後方の男へ話しかける。
「グラシアンの奴、あいつに気付いたかもしれねぇ」
「まずいのか?それは」
「普通に考えてマジィだろ、しかも今あいつのそばには・・・」
「あぁ、そういうことか」
全てを理解した男はそれ以上何も聞くことはしない。カミューニは見張りがいる正門からではなく、無人の裏口から評議院を出ていく。そんな彼の様子を木のような見た目をした老人は鋭い目付きで見送っていた。
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