怪しい男
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全身包帯だらけのメンバーが多いが、無事に連絡が取れていることに安堵するジュラとメルディ。しかしすぐに彼らは頭を切り替える。
「連絡が来たということは・・・」
『はい!!』
ジュラの問いにいい返事をシリルがすると、レオンが白い羽根をピラピラと見せつけるようにちらつかせる。
『国王に扮していた天使を俺たちが倒しました!!』
『しかも三人も!!』
『これはその戦利品』
『国も闇ギルドから解放できたよ!!』
「「!?」」
依頼成功の報告・・・本来なら喜ばしい限りなのだが、彼らの言葉に二人は驚愕し、立ち上がる。
「天使!?天使がいたのか!?」
『え?はい』
「しかもそれを倒したの!?」
『んだ』
『なんで訛った?』
想像を上回る彼らの言葉に顔を見合わせるジュラとメルディ。そんな彼らとは違い、カミューニは淡々と質問をぶつけた。
「その傷の感じからするにシリルとレオンで一人ずつ、シェリアとウェンディで一人倒したって感じか?」
後ろ側に立っているローグとミネルバはかすり傷一つない。天使の実力が高いことは彼らは重々承知のため、無傷で済むことはないとわかっていた。そのため二人は戦闘に参加しなかったのだと考えそう問いかけたのだが、返ってきたのは意外な言葉だった。
『いえ、天使が予想以上に強くて・・・俺とシェリアで一人、シリルとウェンディで一人、あとはグラシアンさんが片してくれました』
「へぇ、グラシアンが・・・グラシアン?」
予想外の人物の名前に首をかしげるカミューニ。彼は目を白黒させた後、画面にその名前の人物がいないことで目を細めた。
「まさか天使を倒すために命まで賭けるとは・・・」
『死んでねぇよ!!』
泣いた真似をしている彼に向かって影の竜が突っ込みを入れる。それに青年は冗談冗談と笑ってみせた後、少し思考してからまた言葉を紡ぐ。
「三人を五人で倒したってことか?」
『まぁそう言えなくはないですよね?』
『正確には天使一人ずつを相手にしてましたけど』
詳しく話を聞いているうちに三人は幾度となく顔を見合わせた。グラシアンの実力は当然把握していたし、彼も天使との戦いのキーマンの一人に数えられていたのだから。
しかし、それでも彼が一人で天使を倒したということは彼らからすれば驚きでしかなかった。
「どうやって倒したかわかるか?」
『いえ・・・』
『俺たちが着いた頃には、もう天使の消滅が始まっていた』
ローグの言葉を聞いてますます混乱の渦に落ちていく。本人に聞こうにも彼はいまだに目を覚ます気配もなく、ただ眠りについているというのだから確認のしようもない。
「とりあえずわかった。お前らもケガヤバそうだし、一回帰ってきてくれ。港に治療班を用意させてお
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