怪しい男
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見捨てるようなことはしない。例えそんな状況になっても、俺たちは最後まで抗い続けるだろう。
「そう・・・か・・・」
俺たちの声を聞いた天使は憐れみの表情を浮かべたかと思うと、すぐに笑みを浮かべてみせる。
「君たちの・・・健闘を・・・祈っているよ・・・」
その一言だけを残し彼は消え去った。あとに残されたのは小さな小さな白い天使の羽根だった。
シリルside
「シリル〜!!」
「ウェンディ!!」
俺とウェンディが目の前の出来事に固まっていたところ、後ろから聞き慣れた二人の声が聞こえてくる。
「遅かったね、セシリー」
「おはよう、シャルル」
ずっと眠っていたのだろう二人に嫌みを込めた一言。その後ろからラウルも飛んできており、相当急いで来たようだ。
「ちょっと〜!!ボロボロじゃん〜!!」
「大丈夫なの!?ウェンディ」
「レオンとシェリアは!?」
次々に来る質問に答えようとしたところ、背後からゆっくりとこちらへ向かってくる足音がしたため振り返る。
「そっちも無事だったんだね」
その足音の正体はバリーザウィッチの元へと向かったレオンとシェリアだった。
「二人が戻ってきたってことは・・・」
「うん!!」
「ぶい」
互いを支え合いながらやってきた二人。ウェンディの問いにシェリアは笑顔で答え、レオンは無表情のままピースサインをする。
「え?何?」
「どういうこと〜?」
「もしかして・・・」
俺たちの様子に何かを察した三匹はこちらに説明を求めるように視線を向けるが、全員がどや顔を見せたことで全てを察したようで三者三様の反応を見せていた。
「すごいじゃない!!ウェンディ!!シリル!!」
「えぇ〜!!見たかった〜!!」
「ラウたち何もしないで終わっちゃった!?」
褒め称えてくれる者、残念そうにしながらも笑顔を見せてくれる者、寝坊したことを後悔する者、でも三匹とも俺たちの勝利を聞いて笑顔を見せてくれていた。
「肩貸すわよ」
「いやいや〜、みんなで手分けして運ぼうよ〜!!」
「大丈夫だよ、心配しなくて」
「私たち歩けるから」
「ダメ!!これくらいはラウたちにさせて!!」
何も協力できなかったことがよほど悔しかったらしく人型になると俺たち全員を運ぼうとしてくれた。特にラウルはレオンを背負った上にシェリアまで掴んでおり、二人の勝利を心から祝っているようだった。
「そういや・・・天使に遭遇したことカミューニに伝えないといけないよね?」
「そっか、なんか調査してたはずだもんね」
三人に運ばれている中、シェリアの言葉にウェンディが返す。確かに評議院は天使との遭遇のことを調べ
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