泥棒
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ントと、ハヤブサの彫刻を生み出した。
「これは……」
「そのマントを摘まんで動かせば、空飛べるぜ」
「そう? どれどれ……」
ハルトはマントの端を動かす。
すると、魔力を込めた風が吹き始め、ハルトの体が上昇し始める。
「おおっ!」
「泥棒探すのには便利だろ? 響にも手伝うように言っておくぜ」
「ありがとう!」
ハルトは礼を言って、滑空。
ハヤブサの魔法により、索敵範囲が大幅に増えた。
見滝原の街を回りながら、ハルトは今朝の男を探す。
顔が覚えていられる自信がないが、それでもなけなしの記憶を頼りに、あの男の姿を探す。
公園から出て、見滝原中央のビル群の合間を探し、西の木組みの街地区を見渡し。やがて、他の地区にも探索の目を光らせていった。
「……見つけた!」
いた。
見滝原西、木組みの街地区から離れた、とある川岸。
そこに、あの泥棒はいた。
ベンチに腰掛け、満足そうに指輪の箱を開けている彼。その前に着地し、同時にハヤブサのマントは消滅した。
「お前! さっきの……!」
「なんだい?」
ハルトの声に、泥棒は振り向く。
彼はしばらくハルトの顔を見つめていたが、やがて思い出したかのように「ああ!」と叫んだ。
「やあ。お宝は頂いたよ?」
泥棒はそう言いながら、ウィザードリングを収納した箱を指からぶら下げる。
「もう十分でしょ。そろそろ俺の指輪を返してもらうよ」
「そう言われて返す泥棒はいないよ」
泥棒はそう言って、手に持った何かを回転させた。
それは、青い銃。シアンカラーの本体に、白、黒、金の装飾が施されたそれは、他では見ない泥棒のオンリーワンのものに思えた。
彼はそのまま、ハルトの足元に発砲、ハルトの動きを止める。
「銃……! しまった、こんなことならウィザーソードガンを持ってくればよかった……!」
普段ウィザーソードガンを取り出すのに使っているコネクトの指輪は、今、あの箱の中だ。
すると、箱が勝手に開いた。中から指輪が散らばり、ゴーレムもまたその中から投げ出された。
「ゴーレム!」
「おいおい、邪魔しないでくれたまえ」
駆け寄ろうとするハルトよりも先に、泥棒がゴーレムの頭を摘まみ上げる。
首が回転する機構が逆に作用し、体が回転している。
泥棒は顔を反らしながら、面倒そうな顔をした。
「これはいらないかなあ。返すよ」
「なっ!?」
泥棒はそう言って、ゴーレムを放り投げた。
ハルトは慌てて両手を差し出し、ゴーレムをキャッチ。
ゴーレムは、ハルトの顔を見て、喜ぶように両手を上げて顔を回す。
「大丈夫だゴーレム。もう怖くないからな」
ハルトはゴーレム
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