合体魔法
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「バカな・・・何を考えてーーー」
二人の狙いが分からず困惑している彼は完全に思考力が落ちていた。そのせいで警戒すべき対象が脳裏から抜けてしまっていた。
「あれ?もう一人はーーー」
彼の視界にいるのはレオンのみ。それもそのはず、シェリアがいるのはレオンの反対側。つまり・・・
「天神の舞!!」
彼の真後ろになる。
「ぐっ!!」
これまでの彼なら反応するのも造作ではない攻撃だったがなす統べなく喰らうしかない。さらにこの一撃はダメージを与えるだけには止まらなかった。
「くっ・・・次はどっちから・・・」
双方ともに視界に捉えることはできないと判断したウィバリーは神経を研ぎ澄ませ視覚と聴覚に意識を集中させる。動きがあれば必ず音がする、そう考えた彼は二人を横目に見ながら次の行動に意識を注ぐ。
彼の予想通り地面を蹴る音が聞こえた。もう片方にはその音がないことから、まずは動いたと思われる方へと顔を向ける。
「なっ・・・」
しかし音がした方にいた青年は動いていなかった。いや、正確には先程よりも彼に近づいてはいたが、攻撃のために動いたのではなく、あくまでフェイクとしての行動だったらしい。
「ならこっちか」
それならとシェリアの方へと向き直るウィバリー。案の定死角を突いての攻撃に出ていたシェリアが迫ってきている姿を捉える。
「永久凍土!!」
「がっ!!」
シェリアの攻撃を受け止めようとした彼だったが衝撃が走ったのは左の脇腹だった。シェリアに意識が向いたところでわずかながらにでも距離を詰めていたレオンが鋭い拳を突き刺したのだ。
「天神の舞!!」
レオンの一撃により体勢が崩れたところでシェリアの追い討ち。これにはたまらずウィバリーは倒れるが、受け身をうまく取りすぐさま立ち上がる。
(彼の能力の高さを少女がうまく生かしている。このままではやられるのは時間の問題だ)
彼らを殺すことは禁じられているためできる手段は限られている。そんな中でも目的を果たすために、彼もべつのところで戦う彼の仲間もこの状況の打開策を模索していた。
(考えろ、この二人を止める方法を)
(我々は叡智の神・メーテス様の使い)
((我々の知略を駆使すれば必ず突破口は見えるはず!!))
今対している二人の能力、これまでの行動、現在の体力、あらゆるものを考慮し思考する。その時間はわずか1秒にも満たないほどのわずかな時間だったが、彼らに取っては十分な時間だった。
「竜魔の咆哮!!」
シリルのブレス。それを見て天使は微動だにしない。ギリギリまで彼の魔法を引き付け
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