第二章
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「二年前から怪我で見えないですが」
「角膜移植してもらってか」
「見える様になりますから」
それでというのだ。
「大丈夫です」
「それでも大変だろ、一人で目が見えなくて歩くなんてな」
「慣れてますし今はおトイレに行ってますが母がいつも付き添ってくれてますし」
「そうなんだな」
「はい、本当にあと少しでまた見える様になるので」
少女は布袋に微笑んで話した。
「その時が楽しみです」
「角膜移植な。何か少なくて順番待ちか」
「それはそうですが」
「それは大変だな」
「出来たらアイバンク登録してくれる人が増えたり」
少女もここで話した。
「盲導犬の活動のサポートをしてくれる人がいれば」
「有り難いよな」
「そう思う時があります」
「やっぱいそうだよな。見えないとな」
「ついつい」
「ついついじゃないよ、俺は見えるけれど見えないのは大変だよ」
このことは彼もわかる、それで言うのだった。
「そう思うのも当然だよ」
「そう言ってくれますか」
「ああ、本気でな」
こう少女に話した、するとここで少女によく似た顔立ちの中年の女性が来て少女のところに来て立たせてだった。
そのうえでそこに来た電車に一緒に乗った、だが。
布袋はその電車が各駅停車だったので急行に乗る彼は乗らなかった、それで少女を見送ったが少女との会話は覚えていて。
そこから考えてだ、彼は動いた。
「お前アイバンク登録したんだよな」
「それで盲導犬の活動に寄付もはじめたんだよな」
「点字活動への協力よ」
「ああ、実はな」
その少女のことを友人達に話した。
「こうしたことがあってな、親にも話したらそれはいいことだって言ってもらったしな」
「それでか」
「今はか」
「そうしたことをしてるんだな」
「ああ、何か出来ることはあるかって考えていたけどな」
それでもというのだ。
「それが見付かった気がするよ」
「これからもな」
「目が見えない人達の為にか」
「盲導犬の活動に寄付して」
「点字活動の協力もしていくか」
「そうしていくよ、それで目が見えない人が少しでも楽になる様に」
その様にというのだ。
「していくよ」
「そうか、頑張れよ」
「俺達も何かするしな」
「人の為に出来ることをな」
「ああ、皆が少しずつでもそうしていったら」
布袋は切実な顔と声で言った。
「世の中よくなっていくよな」
「そうだよな」
「少しずつでもそうしたら」
「それでな」
「だから俺もやっていくよ」
こう言って彼は芽が見えない人達の為の活動を続け友人達もそれぞれそうしていった。すると布袋も彼の友人達もこれまで以上に明るい顔になった。彼の充実していた日々はさらにそうしたものになりそれは就職してからも続いていった。
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