第二章
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「そうしてるんだ」
「そうなのね」
「実はね」
衣笠は晴香にさらに言った。
「今日は人間ドッグでだよ」
「私もよ」
晴香もこう答えた。
「さっきまでね」
「人間ドッグ行ってたんだ」
「毎年、三十五になってから行ってるのよ」
「そうなんだ」
「何かその頃から身体の調子がおかしくなることがあってね」
「それでなんだ」
「毎年行く様にして」
そしてというのだ。
「健康のチェックをね」
「する様にしてるんだ」
「そうなの」
こう衣笠に話した。
「それで今日ね」
「人間ドッグに来てたんだ」
「そうなのよ、それで衣笠君も」
「女房に強く言われて」
それでとだ、衣笠は正直に話した。
「来たんだよ」
「そうなのね」
「それで健康チェックしろって」
「いいと思うわ、私は三十五からだけれど」
それでもとだ、晴香は衣笠に話した。
「人間四十にもなればね」
「僕達位の歳になったら」
「結構あちこちね」
「健康でだね」
「ガタきたりしてるから」
「歳だね」
「そう、それでね」
まさにそれでとだ、晴香は答えた。
「問題出て来るから」
「それでチェックして」
「問題があったら」
「治していかないと駄目だね」
「そうなるからね」
それ故にというのだ。
「人間ドッグに行くのもね」
「会社で健康診断受けていても」
「やっぱり行った方がいいわよ」
「そういうことだね」
「ほら、人間五十年っていうけれど」
ここでだ、晴香は。
真面目な顔になった、そのうえで衣笠に語った。
「五十年生きられない人もいるでしょ」
「同級生が亡くなったとかね」
「聞くでしょ」
「聞くよ」
衣笠は暗い顔になって答えた。
「癌とかでね」
「そう、鴈とかもね」
「人間ドッグで早いうちに発見されたら」
「間に合ったりするから」
「いいんだね」
「そうよ、そうしたこともあるから」
「人間ドッグもだね」
晴香に真面目な顔で応えた。
「行くといいんだね」
「そうよ、そう思うから私もね」
「毎年こうしてなんだ」
「来てるし旦那にもね」
「行かせてるんだ」
「ええ、健康はちゃんとね」
こちらのことはというのだ。
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