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甘えん坊の巨大猫
第一章

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                甘えん坊の巨大猫
 メインクーンはアメリカ産の猫だ、その大きさは。
「六歳ね」
「そうよ」
 カルフォルニア州サンカルロスにサラリーマンの夫と共に住むナタリー=ボウマン金髪で明るい顔立ちの彼女は友人に笑顔で話した。見れば横には茶色の毛で大きな耳の一メートルを優に超える雄猫がいる。
「フィンはね」
「そうなのね、何かね」
「猫に見えないわよね」
「ボブキャットって言われても」
 アメリカにいる大型のネコ科の野生のいきものである。
「信じるわ」
「そこまで大きいわよね」
「メインクーンは私も知ってるけれど」
 それでもと言うのだった。
「この目で見るとね」
「かなり大きいでしょ」
「ええ」
 まさにという返事だった。
「そのことを実感しているわ」
「大きいけれどね」
 ナタリーは友人に笑顔で話した。二人は今ナタリーの家にいる。
「凄く愛嬌があって甘えん坊で」
「いい子なの」
「そうなのよ、撫でるとね」
「ニャ〜〜ン」
 実際にここでナタリーが撫でるとだ、フィンは。
 鳴いて喉を鳴らしだした、その彼を見て友人に話すのだった。
「この通りね」
「機嫌がよくなるの」
「そうなの、だからいつもね」
「撫でてあげてるのね」
「一緒にいてね」
「大きくてもなのね」
「他の猫と変わらない」
 そうしたというのだ。
「いい子よ」
「そうなのね」
「そうなのよ」
 こう話すのだった。
 話を聞いた友人は別の友人、同じサンカルロス在住で夫とアイスクリーム屋を経営しているサラ=イスコ茶色の髪の毛を後ろで団子にした青い目のまだ二十代の彼女に話すと。 
 サラは笑ってだ、彼女に言った。
「実はね」
「実はということは」
「メインクーンじゃないけれど」
 こう前置きしてだった。
 少し席を外して一匹のふわふわの茶色と白の毛の猫を連れて来たが。
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