暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と山椒魚
第二幕その六

[8]前話 [2]次話
「よくしてくれて」
「これがお仕事なので」
「だからですか」
「そうさせて頂いています」
「そうなのですか」
「はい、ですから」 
 それでというのです。
「これからもです」
「こうしてですね」
「ご一緒させて頂きたいですが」
「お願いします」 
 先生はここでも笑顔になって応えました。
「これからも」
「そう言って頂けますか」
「日笠さんは大切なお友達なので」
「お友達ですか」
「はい」 
 日笠さんににこりと笑って答えました。
「そう思います」
「そうなのですか」
「ですからこれからも」
 悪気なく言う先生でした。
「宜しくお願いします」
「それでは」
「それでなのですが」
 先生はご自身の言葉に内心気落ちした日笠さんにさらに言います。
「実はどうしても見たい生きものがいます」
「今回ですか」
「はい、両生類で」
 こう言うのでした。
「宜しいでしょうか」
「どの生きものでしょうか」
「オオサンショウウオです」
 この生きものだというのです。
「宜しいでしょうか」
「どうぞ、丁度このコーナーにもいますし」
「それならですね」
「案内させてもらうつもりでした」
 日笠さんにしてもです。
「日本そして世界最大の両生類ですからね」
「そうですね」
「あの生きものは外せないですね」
「実は論文でもです」
 今書いているそちらもというのです。
「書いていまして」
「そうなのですか」
「オオサンショウオのことは、そしてオオサンショウウオだけでも」
「論文をですか」
「書こうと思っています」
「そうなのですね」
「貴重な生きものなので」
 だからだというのだ。
「あの生きものだけの論文もです」
「書かれたいですか」
「そう考えています」
「それはいいことですね」
 日笠さんは先生のお話を聞いて明るいお顔で頷きました。
「オオサンショウウオは確かに貴重な生きものです」
「日本では天然記念物に指定されていますね」
「数は少なく」
「生息地域も限られていて」
「その生態もです」 
 こちらもというのです。
「非常にです」
「貴重ですね」
「そうした生きものです」
「僕もそう考えていまして」
「オオサンショウウオ専門の論文もですね」
「書こうと考えていますので」
「両生類の論文だけでなく」
 さらにというのです。
「そちらの論文もです」
「書かれたいですか」
「そうしたいですが日笠さんもそう言われるなら」
 先生は日笠さんに笑顔で応えました。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ