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ドリトル先生と山椒魚
第二幕その五

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「先生がこの大学に来てね」
「本当に有り難いです」
 日笠さんもその通りだと言います。
「先生が来てくれて」
「この八条大学にですか」
「皆そう思っています」
 学園のというのです。
「あらゆる学問に通じていてまさに博物学者で」
「博物学ですか」
「あのこの世のあらゆることを学ぶ」
「今は学問が細分化されていてあらゆることを学ぶとなるとですね」
「非常に難しいですが」
 それでもというのです。
「先生はあらゆる学問に造詣が深いので」
「博物学者ですか」
「その方が来て頂いたので」
 そうなったからだというのです。
「まことにです」
「有り難いとですか」
「思っています」
「恐縮ですね」
 先生は照れ臭そうに笑って応えました。
「その様に言われると」
「ですが」
「それでもですか」
「この学園の人達はどなたもです」
 日笠さんは先生に言います。
「先生が来られてです」
「この学園にですね」
「非常にです」
「喜んでくれていますか」
「特に医学と生物学のことは」
「動物園は生物学ですからね」
 そちらの分野になるというのです。
「だからですか」
「尚更です」
「そうなのですね」
「王子がよく招いてくれたと」
 彼がというのです。
「皆感謝しています」
「思えばあの時に王子に誘われて」
 日本に来て大学教授として働いてはどうかとです。
「受けてよかったです」
「先生もそう言われますか」
「はい」
 実際にというのです。
「神の導きですね」
「そうなのですね」
「心から思っています」
「私もそう思います」 
 日笠さんは笑顔でお話する先生にご自身も笑顔になって言いました。
「先生がこの大学ひいては日本に来られたことは」
「神の導きですか」
「はい、私はキリスト教徒ではないですが」
「確か仏教徒ですね」
「家は」
 まさにというのです。
「そちらです」
「そうでしたね」
「ですが」
 それでもというのです。
「先生が今ここにおられることは」
「神の導きですね」
「キリスト教の」
「そうなのですか」
「私も思います、そして」
 日笠さんはこうも言いました。
「今こうしてご一緒出来て嬉しいです」
「僕もです、案内有り難うございます」
「いえ、そんな」
「いつも有り難うございます」
 先生は笑顔でこうも言いました。
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