第一幕その十一
[8]前話 [2]次話
「どうしてもね」
「からっきしだから」
「そうした欠点も愛嬌だけれどね」
「先生のいいところだよ」
「学問は何でも出来るし紳士だけれど」
「凄くいい人だけれど」
それでもというのです。
「スポーツと家事はからっきし」
「そこがまたいいのよ」
「そんな先生だからね」
「僕達も一緒にいられるんだよ」
「そうなんだね、じゃあ僕は開園まで両生類の本を読むから」
そうするからというのえす。
「紅茶を飲みながらね」
「そうしようね」
「それじゃあだね」
「先生は学問に励んで」
「僕達はお掃除に励もう」
こうお話してでした。
皆は研究室の隅から隅までお掃除しました、すると研究室は何処までもピカピカの埃一つないまでに奇麗になりました。
先生はそうなった研究室の中で学問をして紅茶を飲みました、その紅茶を一杯飲んだあと時計を見ますと。
先生はお掃除を終えた皆にです、こう言いました。
「さて、そろそろね」
「いよいよだね」
「動物園に行くんだね」
「これから」
「そうするのよね」
「時間が来たからね」
だからだというのです。
「今出発したらね」
「丁度動物園の入り口に着いた時にだね」
「開園だね」
「その時間だね」
「そうだよ、だからね」
そうなるからだというのです。
「そろそろ出発しよう、ゆっくりとね」
「そしてゆっくりと歩く」
「焦らないで」
「そうしてだね」
「そのうえでだね」
「動物園に行こうね」
こう言ってでした。
先生は皆と一緒にでした、研究室を出ました。そうしていつものペースで歩いて動物園まで向かうとでした。
その正門に着いた時にです。
「今から開園です」
「丁度よかったね」
「はい、日笠さんもおられるので」
入口の受付の人は先生に笑顔でお話しました。
「どうぞ」
「日笠さんは昨日お休みだったね」
「ご存知でしたか」
「実は日笠さんから連絡があったんだ」
「そうなんですか」
「昨日の朝ね」
その時にというのです。
「今日はお休みなので」
「メールで、ですか」
「僕のスマートフォンにね」
そちらにというのです。
「お話してきたんだ、だから動物園には」
「昨日はですか」
「僕が来るなら残念だってね」
その様にというのです。
「メールで言ってたよ」
「そうですか、ですが今日はです」
「日笠さんはおられるんだね」
「はい」
明るい笑顔での返事でした。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ