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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第一章
四話 覇王現る!?
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女は攻撃を止めた訳ではない。あえて正面から受けたのだ。その上でわざわざダメージが増大するにも関わらず自分の意志で衝撃の全てを受け止めながらその場に踏みとどまり、それを代償にしてこの状況を作り上げた。
だがこれは文字通り、刺し違える覚悟でやるような戦法である。殆ど自殺行為だ。

『其処までして勝ちたいのかよ!?』
「これで、終わりです!」
クラナの内心など知らんとばかりに、彼女が腕を振り上げた。

「(まずいっ!)アルッ!!四つ目ェ!」
[Third gear.Fourth gear unlock!!]
「覇王――」
腕を振り上げた彼女の目の前で、クラナの足に付いた突起がズレるように開き、ブシュッと音を立てた。だが、

「(もう遅い!)――断空拳!!!」
[Acceleration!!]
凄まじいスピードで、 打ち下ろされた拳が、クラナへと一直線に空を切り裂いて……

――直後、クラナの姿が掻き消えた。

「!?」
拳を打ち下ろした体勢で、彼女は固まる。

『何が、いえ、何処に!?』
彼女の心の声に対する答えは、真後ろからやってきた。

ザッ!!

「っ!」
地面の砂がすれる音、それに反応して彼女が振り向いたその瞬間、クラナは皮肉にも、先程の彼女と同じ言葉を頭に浮かべた。

「(もう、遅い!)一掌撃滅!!」
突き出された拳が、彼女の脇腹を捉え……

[Impact!!!]



「インパクトブロウ!!」

まるで自動車に跳ねられたかのように、彼女の身体が吹き飛んだ。

――――

「…………」
吹き飛んだ彼女は、クラナから10mも離れた場所でバウンドして、やがて土煙を上げてとまる。

クラナは暫く、腰だめの姿勢で拳を突き出した体勢のまま固まっていたが、やがて……

「ふぅ……」
小さく息を付くと、片方の手のひらの中心にもう片方の拳を押し付け、足を揃えて深々と礼をした。

[お疲れ様です。相棒]
「あぁ……っ」
[口調が素ですね]
面白がるように言ったアルにどう返した物かと困っていると、それを耳聡く聞きつけた声が、後ろからかかった。

「へーぇ、お前、素じゃなかったのか」
「っ!?」
しまった!と言った顔でクラナが振り向くと、其処には案の定、ニヤニヤと笑うノーヴェが居た。途中から熱くなりすぎたせいで彼女の存在を忘れていたのだ。

「いや……別に……」
「おっと、また繕おうったってそうは行かねえぞ?はっきりこの耳で聞いたからな」
「ぐっ……」
「っはは……っと、そりゃそうと……」
返しようも無く、言葉に詰まったクラナを満足そうに見ると、ノーヴェは覇王の方を見
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