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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第一章
四話 覇王現る!?
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ンポを上げた。
『相棒、どうするんですか?』
『一応見に行く。危ないようなら逃げる』
『了解しました』
――――
なるたけ足音を立てぬように注意しつつ、近付いて行くと直ぐに声が聞こえてきた。初めに聞こえてきたのは、失礼ながらノーヴェとは違い落ち着いた女性の声。
「……ヴァルト。『覇王』を名乗らせて頂いています」
『覇王……!』
名前の方はよく聞こえなかったが、最後ははっきりと聞き取ることが出来た。瞬間的に、列車の中でみたあの記事が頭の中をチラつく。
『ってまさか……』
『ち、小さな女の子ですか!?』
アルが驚いたように問うのをスルーしつつ、クラナは街灯の陰からノーヴェ達の方を伺う。と、歩道に居るノーヴェの目の前の街灯の下に、一人の女性が立っていた。
歳は、クラナより少し上だろうか?
翠銀色
(
グリーンブロンド
)
の長い髪をツインテールに結わえ、白を基調としたやたら裾の短い道着を着ている。
……どうでも良いがそのソックスは長すぎないだろうか?足先から太ももの中ほどまでは流石に……ニーソックスと言うのは其処まで長いものなのか?まぁだとすれば脚のラインが見えるしファンが居ることも分からなくは……話が逸れた。
そして、何よりも特徴的なのは……
『
虹彩異色
(
オッドアイ
)
……』
彼女の瞳は左右それぞれ、クラナの妹と同じく色が違った紫と、蒼……
「噂の通り魔か」
「否定はしません」
ノーヴェの問いにさらりと答える自称『覇王』。相手が局員だと分かって居るのだろうか?
と、そんなクラナの内心は当然ながら無視して、話は進む。
『伺いたいのはあなたの知己である「王」達についてです。聖王オリヴィエの
複製体
(
クローン
)
と、冥府の炎王イクスヴェリア」
「っ!」
『…………!』
『あ、相棒!』
『あっ……!』
女性がその名を出した直後、ノーヴェが息を詰める気配が起こり、同時に、クラナの内から一気に殺気が巻き起こった。慌ててアルが止め、クラナは慌てたようにそれを引っ込めるが……
「誰だ!」
「っ……」
ノーヴェの鋭い声がして、クラナはやむなく姿を見せる。
「く、クラナ!?お前、まだウロウロしてたのか!」
「まぁ……走り込みを……」
あなた方に遭遇したお陰で途中中止ですが。と言う言葉を呑み込んで、クラナはノーヴェに会釈をすると、正面に立つ自称覇王の女性を見る。
先程まで此方には向かなかった美しい二色の瞳は、今は自分と同じく正面から此方を見据えていた。
「…………」
しかし彼女はやがて興味なさげにクラナから目を逸らすと、再びノーヴェに問う。
「其方の男性に手出しはしません。もう一度お聞き……「知らねえな」…
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