天使の覚悟
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な一撃が来ることは雰囲気でわかる。しかし今の俺は動くことができない。だが相手は風系統の魔法を使ってくるはず。それなら食えれば・・・
「!?」
そう思って顔を向けると、相手が腕に纏っているのはなんと炎。これに危機感を覚えた俺は空いていた左腕でガードするしかない。
バキッ
「っ〜〜〜!!」
左腕から嫌な音がしたと同時に走る激痛に声が出ない。もしガードしてなければ完全に仕留められていたであろう一撃の威力に悶絶しながらうずくまる。
「ふぅ。時間はかかったが、無事に使命を果たせそうだ」
あまりの痛みに反撃はもちろん動くこともできない。その隙に俺を連れ去ろうと天使は腕を伸ばしてくる。
「天竜の咆哮!!」
「!!」
俺に身体を向けていたために後方への警戒がおざなりになっていた天使。そのため、遅れてきたウェンディの攻撃に気付かずモロに背中にブレスを受け、俺を飛び越えるように転がっていく。
「シリル!!大丈夫!?」
「なんとか・・・」
駆け寄ってきたウェンディがすぐに治癒の魔法をかけてくれたおかげで痛みが和らいでいく。完全に治せれば良かったのだが、相手もそう易々とチャンスは与えてくれないようですぐに立ち上がったため、それに向き直らざるを得ない。
「グラシアンさんは?」
「思ったよりケガが酷くて・・・ローグさんとミネルバさんがアジトに連れていってくれてるよ」
ダメージもそうだけど、明らかに様子もおかしくなってたグラシアンさん。二人が付いていてくれるなら大丈夫だとは思うけど、それでもやっぱり心配だ。
「今は人の心配してる余裕ないよ、シリル」
そんな俺の心を見透かしていたウェンディ。顔には出していなかったと思うけど、ずっと一緒にいるだけあってわずかな変化で心情を察してくれる。
「もちろん。手伝ってくれるよね?」
「うん!!そのために来たんだもん!!」
二人で天使へと向き合う。一人では無理でも二人なら・・・それも俺たちならきっと勝てる。そんな余裕が心に出てきた。
「・・・」
そんな俺たちを見て何かを考えている様子の天使。彼はしばし思考したかと思うと、その手をこちらへと差し出してくる。
「わかった、ならこうするのはどうだろう?」
俺たち二人を見て彼は何かを思いつき、それを提案するかどうかを悩んでいたらしい。しかし、おおよその問いは想像できる。
「メーテス様に交渉し、その子も天界に行けるようにしよう。だからーーー」
「「お断りします」」
俺が二人揃ってなら提案を飲むかもと考えていたようだけど、そんなことはあるはずがない。そしてそれはウェンディも理解してくれていたようで、声が合わさった。その回答を聞いて、彼は深い深い溜め息を付き、こちらを見据
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