平行世界
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も聖杯戦争に参加しているのか?」
「聖杯戦争まで知っているのか?」
「ああ。いくつかの世界でも、どいつもこいつも血なまぐさい殺し合いをしていたからな……で? 今回はどこの魔術協会が絡んでいるんだ? あと、今回の御三家はどいつだ?」
「御三家……?」
「遠坂間桐アインツベルンのことだが……そんなことも知らないのか……それとも、いないのか?」
士はそう言って、自らの右手を見下ろす。
「聖杯戦争か……どうやら、それが俺の役割らしいな……」
「役割?」
聞き返す友奈。
士が友奈を含め、ハルトたちに見せつけたのは。
右手。その手の甲に刻まれていたのは、彼が先ほどまで変身していた、ディケイドのクレストマーク。
それが意味するもの。ハルトたちの顔が一気に引き攣る。
「プリテンダーのマスターにしてサーヴァント。それが、この世界での俺の役割のようだ」
険しくなったハルトたち。だがすぐに、士が言った言葉を汲み取り、疑問符を浮かべた。
「マスターにして……サーヴァント?」
「おい、一体どういうことだ?」
「何だっていい……」
それは、ソロの声。
全身が傷だらけの状態ながら、彼は手にしたラプラスソードを士へ向けた。
「参加者なら……オレの敵だ!」
彼は、手にしたラプラスソードで、士へ振り上げる。
士は即座に手にしたライドブッカーを展開、ラプラスソードを受け流す。
「お前がすぐに俺を敵だとみなすのは知っていた」
だが、士は手慣れた剣捌きでラプラスソードをいなしていく。
それぞれの実力は拮抗していたが、それでも焦りを見せるソロの方が劣勢にも見えた。
「チッ……!」
苛立ちを露わにしていくソロは、やがて大きくラプラスソードを振る。
発生した紫の衝撃波が士を狙うが、士は体を大きく捻らせ、その攻撃を避ける。
「だが、どうやらお前たちは全員、俺が知っている奴らとは多かれ少なかれ違いがあるようだ!」
士はそう言って、ソロへ手を伸ばす。
すると、彼の前に銀色のオーロラが出現する。まるでソロの前に壁のように出現したそれを見て、ハルトは思わず口を動かした。
「あれって……コエムシが処刑人を召喚するときの!」
「マジかよ!」
コウスケも同じく驚く。
銀色のオーロラは、ソロの前後に出現。オーロラに飛び込んだ士がソロの背後に出現、そのまま蹴り飛ばした。
「なっ……!?」
ソロの二度目の敗北。
士はそのままライドブッカーを折り畳み、手を叩いた。
「安心しろ。参加者だが、特に叶える願いも持ち合わせていない。この世界での俺の役割が終わったら、また別の世界に行くつもりだ」
「参加者が見滝原の外に出たら、強制的に死ぬぞ!」
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