平行世界
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ていてなんで俺たちのことは知らないんだよ」
凄いを通り越してため息になる。
そんな経験を珍しいなと感じながら、ハルトはため息を付いた。
「……松菜ハルト。指輪の魔法使い、ウィザードをやっている」
「おいハルト、お前何普通に名乗ってるんだよ」
コウスケがハルトの肩を掴む。だがハルトは彼の腕を振り払い、耳打ちした。
「仕方ないだろ。今の俺たちには、あのディケイドに対する情報が何もないんだ。アイツのことを少しでも知りたい」
「……まあ、一理あるか」
コウスケは渋々承諾した。
「オレは多田コウスケだ。オレも、指輪の魔法使い、ビーストだぜ」
「指輪の魔法使い……だが、やはり仮面ライダーか」
「仮面……ライダー?」
聞き覚えのない単語に、ハルトは聞き直す。
いや、正確には、一度だけ聞き覚えがあった。確か、ハルトのサーヴァントである真司___龍騎が召喚された時、自らを仮面ライダーと名乗っていなかったか。
青年は、首からぶら下げているピンクのカメラを手に取る。そのネジを回し、やがてハルトとコウスケの二人へレンズを向けながら、その名を告げた。
「門矢士」
士。
その名を持つ彼が、カメラのシャッターを押すのと同時に、さらにもう一言、付け加えた。
「世界の……破壊者だ」
「破壊者……やっぱり、聞き覚えがある……!」
だが、思い出そうとするハルトの前で、コウスケは士に詰め寄る。
「破壊者だァ!? ってことはお前、オレ達のこの世界をぶっ壊そうってのか!?」
「コウスケさん、落ち着いてッ!」
コウスケを止める響。
だが、それで冷静になれるコウスケではない。
「いきなり襲い掛かって来て、それはねえだろ!? お前、参加者じゃねえのか!?」
士の胸倉を掴むコウスケ。だが士は、表情一つ変えることなく、その手を払いのけた。
「参加者? 何のだ?」
「これに決まってんだろ!」
コウスケは、自らの右手に刻まれた黒い紋章を見せつける。
元々あったのは、巨大なフォニックゲインの紋章だったが、今はその三分の二が消失し、右上の部分だけしか残っていない。
「……令呪か?」
士の口から真っ先に出てくるその言葉。
その単語を知っているという事実に、ハルトたちは愕然とした。
「令呪を知っているってことは……」
「やっぱりお前も参加者だったんじゃねえか!」
「だからコウスケさん落ち着いてッ!」
より一層、コウスケが士への警戒を強める。
「だいたいわかった……これは、聖杯戦争だな? そういえば、お前アイツをキャスターと呼んでいたな……」
士は自らの右手を見下ろしながら頷いた。
「なら、お前ら
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