平行世界
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のだぜ?」
「……私は……」
「知っている。尋ねはしたが、別にお前はいい」
青年は、キャスターの名乗りを手で制する。そして、ハルト、そしてコウスケへ向き直った。
「俺が知りたいのは、お前たち二人だ」
「俺たち?」
「何でオレたちだけなんだ?」
コウスケの問いに、青年は肩を鳴らした。
「他の奴らは全員知っている。何なら、ウィザードとビーストもな。だが、お前たちだけは知らない」
「でも、私はあなたと会った覚えはありませんよ?」
腕を抑えながら、えりかが言った。
彼女の腰についていたセラフは、いつのまにか無くなっており、セラフがある間点灯していた彼女の服の一部も、その光を失っている。
青年は鼻を鳴らす。
「さっきも言ったが、俺はお前たちを知っているぞ。蒼井えりか」
「!」
「何なら、セラフ部隊の真実もな……」
「セラフ部隊の真実……?」
「もっとも、この世界にはもう関係ないことのようだがな」
ぽかんとした顔のえりか。
士はそれ以上えりかに構わず、起き上がった者たちへ顔を向けた。
「他の奴も当ててやろうか?」
「わ、なんか怖いんだけど……」
可奈美はそう言って、千鳥を抱き寄せる。
士は何てことなさそうに、可奈美へ口を開いた。
「衛藤可奈美。美濃関学院中等部二年。御刀、千鳥に選ばれた刀使で、底なしの剣術バカ」
「何で知ってるの!?」
「前に会った時は、別れ際にまた立ち合いしようとか言われたんだがな」
目を白黒させる可奈美に構うことなく、士は続ける。
「次はお前だ、立花響」
「ちょっと待ってまだ心の準備がッ!」
「シンフォギア、ガングニールの奏者、立花響。国連直轄の秘密組織、S.O.N.G所属。敵であっても手を繋ぐことを信条としている、趣味は人助けのお人よし」
「ご、ご名答……ッ!」
唖然とする響。
だが士は、ため息を付きながら続けた。
「もっとも、小日向未来がいない場所にいるとは思わなかったがな」
小日向未来。
その名は、ハルトにとっても覚えがあった。
昨年末、響の記憶より作られた彼女の最も大切な敵が、そんな名前ではなかったか。
「結城友奈」
「わたしのことも知ってるの!?」
次の標的にされた友奈が口を抑えた。
士は頷き、すらすらと彼女の内情を語っていく。
「讃州中学二年の勇者部。うどんと武術が好きで、勇者部活動で人助けでもしてるんだろ?」
「すごい! 当たってる!」
友奈はパチパチと拍手をした。
「各務原あずみのゼクス、リゲルに……キュゥべえと契約した魔法少女、暁美ほむら。それに、超古代電波文明、ムーの末裔ソロ……」
「何でも知っているんだな……逆にそこまで知っ
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