SAO編−白百合の刃−
SAO27-白黒ヒーロー
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すぐに怯えきった少女は答えた。
「お金なんていいから、全部渡してしまいなさい!」
サーシャさんは子供達の身を守るために指示をする。しかし少女はしぼり出すような声で言った。
「先生……だめなんだ……!」
「どうして!」
その疑問を答えるように道を塞ぐ男の一人が、ひきつるように笑いながら発した。
「あんたら、ずいぶんと納金を滞納しているからな、金だけじゃ足りないよな?」
「装備も置いてってもらわないといけねぇなぁー。防具だけじゃなく、何から何まで全部脱ぐんだな」
軍達は一斉に下卑……卑猥に近いような笑い声を上げた。
あ、うん……こうなると怒り通り越して同情するわね。
「あの……キリカさん」
後ろからイチが寄って来て、ボソボソっと声をかけて来た。
「あ、あの人達は……なにがしたいんですか?」
「今言ったことは裸になれって言うことじゃない?」
「え、えぇぇっ!? そ、そんな、サーシャさんにそんなことは駄目ですよ! わたしが身代わりに……」
「おそらく、ここにいる女の子全員に言っていると思うから身代わりは無理」
「そ、そんなぁ……っ!」
貴女、一流の中に入る攻略組の一人なんでしょ? いや、彼女の性格上、あわわわってパニクるのがイチらしいと言うか……それで本当に兄を打ちのめしたヒースクリフ並の鉄壁を持つと言われているんだから。ほんとすごいよ。
『軍』は金も目当てだろうとは思っているけど、あの発言だと女も狙っている。それは『軍』でも徴税隊でもない。例えるなら…………時代劇に出てくる、悪大官とその部下達って言うべきだろう。
と言うことで、時代劇のお約束通りに……退場されてもらうことしましょう。
「邪魔よ」
目の前にいる男達は漆黒の名の元に、黒色の閃光と風を切るような音が鳴り響き、後ろに飛ばされてしまった。
周囲、いや全員がそれに驚いていた。『軍』も、サーシャさんも、イチも、アスナも兄でさえも、そしていつの間にかスズナを抱いていた私も驚きを隠せないでいた。
街区圏内は犯罪防止が働いているため、プレイヤーにダメージを与えることや殺すことも出来ない。『軍』はそれを利用して、『ブロック』と言う通路を塞いで閉じ込め、『ボックス』と言う、直接数人で取り囲むことで相手を動かなくさせる悪質な方法で子供達を人質にしていた
それをドウセツは“居合い”で意図も簡単に正面から『ブロック』と『ボックス』を一蹴したのだ。
私は悟った。私の出番はないなと言うことを……。
そして私は『軍』に同情するんだろうと、悟ってしまった。
ドウセツは周囲の反応など気にせず、子供達、十代前半の少年二人と少女一人の所へ近寄った。
●
「装備戻してもい
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